9月15日 未来ノート テニス 錦織圭

朝日新聞2017年9月3日16面:子ども時代の夢 5歳で壁打ちライバルは姉 錦織圭(27)が初めてテニスラケットを握ったのは5歳のときだ。「覚えているのは自宅前で壁打ちしていたこと。とにかく外で遊びたくて。サッカーは一人でやるのは難しいし、色々なショットを打って、壁と戦うのが楽しかった」。「戦う」という感覚が、錦織らしい。コートでの練習は毎週末、父清志さんが指導し、4歳上の姉玲奈さんと3人でするのが習慣だった。
「基本技術を教えるだけだと子どもはあきちゃう。おもしろい、楽しいというブブがないと。だから休憩時間は長く取るようにした」と清志さんは振り返る。錦織も息抜きの時間が楽しかったという。
「サービスラインまでの範囲のミニテニスはよくやってました」。繊細なボールタッチの技術は、幼少の遊びで自然と磨かれた。しかも、何回ラリーが続くかといった共同作業ではない。「あくまで勝つか、負けるか。真剣勝負です。僕がけっこう勝っていたと思う」。自称「超負けず嫌い」の性格は姉との対決を通じて養われたのだろう。そういえば、テニス界にはウィリアムズ姉妹(米)、マリー兄弟(英)、最近売り出し中のズベレフ兄弟(ドイツ)ら兄弟、姉妹の一流どころがいる。そして、妹、弟の方が成績が上のケースが目立つ。
錦織に水を向けると、「あっ、たしかに。フィギュアスケートの浅田真央選手とかも。僕の場合、やっぱり、身近なライバルとして姉という目標がいたのが向上心につながった」。
錦織が姉と対戦して勝てるようになったのは小学校6年のとき。ちょうど、「将来の夢」に、「テニスで世界一になりたいです」と書き残したころだ。(稲垣康介)
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