9月12日 もっと知りたい 消費税10%「1・2」

朝日新聞2019年9月10日7面:消費増税 政権の「鬼門」に 「消費税10%」となる10月1日が迫ってきました。消費税の導入から30年。3度目の税率引き上げとなる今回は、軽減税率やキャッシュレス決済によるポイント還元制度などが同時に始まり、仕組みが複雑になります。消費者が知っておくべきことはなにか、シリーズで読み解きます。まずは消費税の歴史と増税分の使い道をおさらいします。消費税は、給料から天引きされる所得税と違って、買い物のたびに支払うため国民が負担増を実感しやすい。このため、時の政権には「鬼門」となってきた。導入の議論が本格化したのは1970年代半ばだ。高度経済成長が一段落したところに石油ショックが追い打ちをかけた。それまで主役だった所得税と法人税は景気の動向に大きく左右されてしまう。将来の財政を安定させるためには、景気に振り回されにくい消費にかける税が欠かせないとの考えが政府に強まった。最初に挑んだのは大平内閣だった。79年1月に「一般消費税」の導入を掲げたが、10月の衆院選最中に撤回に追い込まれた。86年の衆参ダブル選挙で圧勝した中曽根内閣は、翌年2月に「売上税」を国会に提案したが後に廃案になった。竹下内閣の89年4月、消費税は税率3%で導入された。だが、その代償は大きく、リクルート事件も重なって2ヵ月後に退陣に追い込まれた。94年2月には細川護煕首相が税率を7%に上げて福祉目的税にする「国民福祉税構想」を発表するも、すぐに撤回。のちに退陣した。橋本内閣は5%への消費増税を実現した翌98年の参院選で大敗し、総辞職に追い込まれた。消費税が一因となった退陣が続き、永田町では「消費税を掲げたら選挙は勝てない」が通説になった。長期政権を築いた小泉純一郎首相でさえも、「在任中は消費税は上げない」と宣言。国の借金が膨らみ続ける中でも、消費税議論は表舞台から遠ざかった。再び消費増税議論に向かい合ったのが民主党政権だった。野田佳彦首相は、2009年の政権交代時の公約になかった消費増税を決断。野党の自民、公明と12年に「3党合意」を結んだ。膨らみ続ける社会保障費に対応するため、消費税率を14年4月に8%、15年10月に10%にする内容だ。だが民主党は分裂し、政権の座を失った。当時を知る公明党幹部は「野党だからこそ協力できた。与党だったら、政権を失うリスクが大きすぎて、出来なかっただろう」と振り返る。12年末に首相の座に返り咲いた安倍晋三首相は、8%は予定通り引き上げた。しかし増税後、駆け込み需要の反動感に見舞われ、個人消費などが低迷。「財務省の言う通りにあげたら、アベノミクスの腰を折る形になった」(政府高官)。首相はその後、2度にわたり増税を延期し、3党合意はほごにされた。 税収5.7兆円憎 使い道は 国の借金返済2.9兆円に減 今回消費税を2%引き上げると、税収は年間で約5.7兆円増えると見込まれる。3党合意では、この5分の4を国の借金を減らすことに使い、残りは社会保障の充実にあてると決めていたが、安倍首相がこの使い道を大きく変えた。17年、増収分の一部を幼児教育無償化などに使うことを表明。「国民に信を問う」と衆院を解散し、総選挙で勝利した。この結果、借金減らしに使う額は増収分の半分の2.8兆円ほどに減った。幼児教育の無償化は増税と同じ、10月1日から始める。幼稚園などに通う3~5歳児の利用料を原則無料にする。20年4月には、大学や専門学校など高等教育についての措置も始める。住民税非課税世帯を対象に入学金・授業料を減免する。また、ベテラン介護福祉士の処遇改善や所得が低い65歳以上の高齢者を対象に介護保険料の軽減などにも増収分を充てる。ただ、2度の増税延期の影響で、財政健全化の指標となる国と地方の基礎的財政収支の黒字化目標は、当初の20年度から25年度に後ろ倒しにされた。借金を将来世代につけ回ししていく構図は変わっていない。(岡村夏樹)
朝日新聞2019年9月11日7面:ネット通販 適用いつ? 消費税率が10%に上がるのは10月1日から。でも、9月中に注文した商品の税率が10%になったり、10月以降に使うサービスが8%になったりする場合がある。どこに境目があるのだろうか。主なケースを紹介する。ネット通販の楽天やアマゾンは、消費者が9月中に商品を注文しても、業者が「出荷した日」が10月1日以降であれば10%になる。逆に出荷日が9月中なら、商品到着が10月にずれこんでも8%のままだ。両社とも基本的に税込みで価格を表示しているため、注文した後に価格が変わることはない。ただ、価格設定は出品業者に任されているため、値段が変わるタイミングは業者によってばらばらだという。楽天は「買いたい商品が決まっていれば、日数に余裕をもって注文するのがおあすすめ」(広報担当者)とする。国税庁になると、どの時点で「販売した」と捉えるかは事業者ごとに判断する。継続して同じ方法をとっていれば、出荷日と荷物が届いた日のどちらが基準でも問題はないという。 店ごとに判断 家電大手のビッグカメラは、店頭でもネット通販でも支払日を基準にする。冷蔵をを9月30日に店頭で買ってお金を支払えば、家に届くのが10月でも8%だ。飛行機や新幹線といった交通機関のチケットは、買った時が基準となる。10月1日以降に搭乗する国内線の航空券や、利用期間が10月以降にかかる定期券でも9月30日までに買えば8%だ。9月中に買った航空券は予約を変更しても8%のままという。国際線の航空券は消費税がかからない。日付をまたぐ商売では、いつから10%になるのか。セブンーイレブン、ファミリーマート、ローソンのコンビニ大手3社は10月1日午前0時に10%にする。最初の商品をレジに読み込んだ時間が午後11時59分59秒までならば、すべての商品に8%を適用するという。ディスカウント大手「ドン・キホーテ」は営業が終わった段階で税率を切り替える。午前2時閉店の店なら、それまでは8%だ。24時間営業の店は午前0時以降に順次切り替えるため、店によって異なる。また、全国ハイヤー・タクシー連合会によると、タクシーのメーターの設定は走行中に変えられず、営業所で変更する必要がある。このため、10月1日以降に車庫から出たタクシーから10%になるという。 事前に確認を 高額な買い物となる自動車は、販売店が売り上げを計上した時点の税率が適用される。ほとんどの販売店はナンバープレートをつけるための登録(軽自動車は届け出)が済んだ時点で売り上げを計上するため、8%で買うには契約を結んだうえ、ナンバー交付の手続きを9月中に終えてもらわないといけない。車を買う人も印鑑証明などの必要書類をそろえないといけないため、どの程度の時間が必要かは事前によく確認する必要がある。住宅は、分譲マンションか戸建てかでルールが異なる。分譲の場合は原則、引き渡し日が9月中なら8%になるが、10月以降は10%になる。戸建ても基本的には同じ仕組みだが、今年3月末までに売買契約をしたものは、引き渡し日が10月以降でも8%のままだ。(神沢和敏、栗林史子、高橋尚之、森田岳穂) ◇政府は10日、消費増税に備え、主に事業主からの相談を受ける専用の電話窓口について、平日に加えて土日も受け付けると発表した。電話窓口は、内閣府と国税庁、中小企業庁が担当している。中小企業庁担当の軽減税率対策補助金に関する問い合わせは 0120.398.111

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