9月11日 消費で社会貢献「ハレの日」にも

日本経済新聞2019年9月7日夕刊1面:婚約指輪、ダイヤでなく人口石 賞味期限切れの食品や、売れ残った洋服などが人気だ。通常よりも安い価格が消費者の心をつかんでいるが、それだけではない。その商品がどのように作られ、最終的に性分されるのか。詳しい情報が得られるようになり、「買う責任」を考えるようになってきた。 食品ロスを回避 「これはお得。すぐ食べるから気にならない。こういう店がもっとあれば」。東京・渋谷の「ルピシア・ボンマルシェ代官山店」。神奈川県から来た主婦(59)が手にしたのは、ドライフルーツのイチジクとかんきつ系飲料だ。どちらも価格は20円。実は、賞味期限が切れている。店はルピシアグルマン(東京・渋谷)が運営する。自社グループの茶葉だけでなく、包装に傷があるなどの理由で廃棄される飲料や菓子などをメーカーや問屋から買い取り、理由を表示して割安で販売。2008年に初出店し、全国に13店展開する。代官山の価格は通常の2割引きから、賞味期限が近づくにつれ9割引きも。18年1月から賞味期限が切れた品も20円で販売開始。賞味期限は「おいしく食べられる期限」で販売は法律上、問題がない。同社の中江昭英相談役は「ここ数年、急速に食品廃棄への関心が高まった。かつては期限切れに拒否反応があったが今は『もったいない』に変わった」と説明する。飲食可能なのに捨てられる「食品ロス」は年間643万㌧。店で買い物中の会社員の女性(38)は、「前は棚に並んだ奥の商品から取っていたが、最近は手前から選ぶようになった」。棚の奥は書未期限が先の品が多いが、「食品廃棄の問題を見聞きすることが増えて、恥ずかしくなった」。続く店も。18年5月に開店した飲料や菓子を扱う食品ディスカウント店「マルヤス」(埼玉県戸田市から川口市に移転中で14日再オープン)は約2割が賞味期限切れ。「日を追うごとに客数も売り上げも増えている」と合同会社ファンタイム(東京・港)の松井隆代表。 過剰在庫に一石 年間10億点超とされる過剰在庫問題を抱えるファッション業界にも風が吹いた。「いいことしている感じもうれしいから、この売り方はアリ」。 「買う責任」を意識 期限限定の売り場に来ていた会社員の女性(37)は、17年開始の衣料品ブランド「Rename(リネーム)」について話す。FINE(名古屋市)は売れ残った在庫を買い取り、リネームのタグに替えた後、元の定価から3~8割引きで販売する。従来、セール後の売れ残りはアウトレット店に回すか、廃棄するかだったが、イメージを損ねず再販できると取引が急増。30~40代女性を中心に売り上げが伸びている。ハレの日の買い物にも意識変化が表れ始めた。「プロポーズで指輪を見て本当にうれしかった」。18年に結婚式を挙げた女性(29)が夫(35)かた贈られたのはダイヤモンドに似た人口石「モアサナイト」の指輪だ。天然ダイヤの約10分の1の価格の安さより、ダイヤが産出国の自然破壊や紛争の資金源の一因になりうると聞き「固執することはないと夫と話した」。モアサナイト専門店のプリジャール(東京・中央)の小原亦聡社長は「当初、婚約指輪を買う人はいなかった」。今は購入者の3~4割は婚約指輪で、売り上げは前年比2~3割増という。小売店のレジ袋有料化やストローの紙製化。身近な変化も、消費者の「買う責任」への意識を後押ししそうだ。(井土聡子)

 

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