9月10日 シートベルト免除される? されない?

朝日新聞2019年9月7日夕刊1面:配達中警告・・2時間後に一転切符 車に乗るときは、必ずシートベルトをしなければならない。でも、米屋さんや酒屋さん、クリーニング屋さんなど、状況によっては装着義務を免除される業種の人たちがいる。ただ、実際に免除されるかどうかはその時の「状況」によって異なるようだ。
5月ある土曜日、兵庫県姫路市の酒屋を営む男性(59)は軽トラックで店を出た直後、県警飾磨署員に停車を求められた。男性はシートベルトをしていなかった。店から約100㍍の公道上。約1㌔離れた居酒屋にビールジョッキやグラスを配達する途中だった。道路交通法はシートベルトの装着を義務づけ、違反すると違反点数1点が科される。だが、男性が「配達中」と伝えると、署員は点数切符を交付せず、警告だけにとどめた。実は道交法上のシートベルトの装着義務には免除規定がある。道交法施行令では、業務ため「頻繁に自動車に乗車すること」を要する区間で、「当該業務ために使用される自動車を運転する」場合がそれにあたる。該当するケースは、酒類や米、清涼飲料の小売業で戸別配達する場合ーなどと国家公安委員会規則で定められている。署員は男性が酒屋で、かつ配達中だったことから、免除規定にあたると一度は判断したとみられる。だが、その約2時間後、同じ署員が上司を連れて再び男性の店にやってきた。「やはりシートベルトを着けないといけない」と言い、今度は点数切符を交付した。署幹部によると、当時の状況を再検討した結果、署員が呼び止めた際に、着用が免除される条件である「頻繁に車を乗降する区間」に男性の車があったとは認められないと判断したという。署幹部は「(男性は)1㌔先の取引先に向かう途中で、頻繁な乗降は生じない」と対応を改めた理由を説明する。男性は「切符を切られたことに異議をはない」としつつ、「免除の基準があいまいで、警察官の裁量次第という気がする」と首をかしげた。 「個別の状況で判断」 そもそも、なぜ一部の業務に免除規定があるのか。運転手のシートベルト装着が義務づけられたのは1985年。このとき、道交法施行令が改正され、免除規定が設けられた。警察庁交通局によると、主に運転手の疾患や業務などへの影響を避けることを念頭においているという。「頻繁な乗り降り」の定義は、「個別具体的な状況で判断する」とし、乗り降りしている際の時間や、乗降の回数などを考慮するという。実際に免除対象となっている業界でも、対応は分かれている。郵便物の集配業務にあたる日本郵便は、全運転手にシートベルトの常時着用を指導。同じく免除対象になる貨物輸送の佐川急便(京都市)も、装着を指示しているという。一方、免除対象となる「廃棄物収集」を担う大阪市は、ごみ収集中の短距離移動については、利便性を考えて装着を求めていない。ただ、短距離でも重大な事故が起きやすい交差点や幹線道路を通る際は、装着を求めているという。(篠山大志) 納得できる基準を 交通問題に詳しい高山俊吉弁護士(東京弁護士会)の話 法令の乗り降りの「頻繁」の解釈には幅があり、取り締まる側の感覚やさじ加減に委ねられているのが現実。シートベルトの装着免除の規定は、物流や経済活動などを妨げないようにするためのルールで、社会に混乱が生じないためにも、納得できる解釈の基準を設けるべきだ。

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