8月23日 黒潮大蛇行 長引く異変

朝日新聞2019年8月20日1面:気仙沼のカツオ漁に打撃 シラス不漁や高潮の原因にも 日本の太平洋側を流れる黒潮が大きく離岸し、また曲がって接岸する「黒潮大蛇行」が長期化している。気象庁が2017年8月に発生を確認してから2年。魚が取れなくなったり、高潮など自然環境に変化を及ぼしたりする要因につながるが、いつまで続くのか。22年連続で生鮮カツオの水揚げ量日本一を誇る宮城県。気仙沼漁港。7月1日、約1ヵ月半ぶりのカツオが水揚げされた。今季の水揚げ量は5月中旬~7月末で約3955㌧。昨年同期と比べ、4割未満だ。6月は一度も水揚げがなく、斎藤徹夫組合長(64)は「気仙沼はカツオを中心に経済が回る。こんなに途切れたことは今までにない」と頭を抱える。一方、和歌山県では豊漁だ。県内主要3漁港の水揚げ量(6月まで)は479.1㌧とすでに昨年1年の356.3㌧を上回った。異変の要因とみられるのが大蛇行だ。九州南東で黒潮とぶつかる反時計周りの渦が原因とされ、渦は黒潮に乗って北上。紀伊半島南方の海底にある山にぶつかり、黒潮の流れを大きく曲げるという。気象庁によると、黒潮は現在、紀伊半島沖で南へ離岸。Uの字を描き、再び東海沖へ近づいている。大蛇行は過去に発生した5回とも、1年以上続いた。日本列島の太平洋側を北上するカツオは黒潮の影響を受けると考えられる。国際水産資源研究所(静岡市)の清藤秀理かつおグループ長(47)は「黒潮かた暖かい海水が紀伊半島に波及してカツオが移動し、漁場ができたのではないか」と述べる。暖かい海水の流れはこの渦が起こしているとの指摘もあり、こうした影響で関東近海では漁場ができず、冷たい親潮の南下もあって気仙沼の不漁を招いたとみられる。静岡県内のシラス漁も打撃を受けた。県水産技術研究所によると、県内主要6港のシラスの水揚げ量(3月下旬~6月末)は昨年同期比で約2割減少した。黒潮が接岸し、水温が上昇すると影響が出るといわれている。テングサやヒジキなど海藻の生育も悪い。 終わる兆候「ない」 大蛇行は身近な脅威の一因にもなる。暖かい海水が列島へ流れ、海面が上昇して高潮が起きやすくなる。2017年10月の台風21号の発生時、東海地方沿岸の潮位は通常より20~30㌢高く、静岡県松崎町で住宅4棟が床下浸水になったほか、県内10漁港の防波堤などが損壊した。現在も10~20㌢高いという。関東で雪が降りやすくなるという研究結果もある。鹿児島大学によると、雪を降らせ、黒潮付近を移動する低気圧の経路が大蛇行によって変わり、降雪の確立が高まるという。大蛇行はいつまで続くのか。海洋研究開発機構(神奈川県横須賀市)の美山透主任研究員(49)は「渦を押し流す黒潮の流れは弱く、明確に終わる兆候はない」としている。(金山隆之介)

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