6月5日 オトナになった女子たちへ 益田ミリ

朝日新聞2019年5月31日29面:これでOK親子旅 大型連休が終わって一息ついたところで、実家の母と金沢旅行へ。京都駅から「サンダーバード」というかっこいい名前の電車に乗り込む。並んで駅弁を食べ、家から持参のおやつもパクリ。母がスーパーの四国物産展で買ったというお芋のタルトである。滋賀、福井を抜けて金沢に到着する間に、我々は高知県まで味わったのであった。母は福井の出なので、途中、電車が敦賀駅に止まった中ときは懐かしさそうだった。秋に中学校時代の同窓会があるらしく、今から楽しみにしているオカーさん。「みんなで集まれる最後の同窓会かもしれんわ」と、窓の外を見ながら言っていた。
2時間ちょっとで金沢駅に到着。ホテルにチェックイン後、わたしたちが真っ先にしたのは「昼寝」である。一泊二日の旅程。友とならすぐに観光に飛び出すところだが、親との旅はゆっくりめ。これとこれとこれを見ればもうOK! くらいの心持ちでちょうどよい。旅を終えた翌日からいつも通りの生活ができるのが大事である。小一時間、横になったあと名勝・兼六園へ。四角い部屋を丸く掃くように兼六園も隅々までまわらない。5月といえども午後の日差しは強い。無理しない、無理しない。40分ほどで切り上げ、タクシーでひがし茶屋街に寄りカフェでアイスコーヒー。体力温存を心がけているので、逆に母が好きなことに時間を費やせる。母が旅において重要視しているのはズバリ、お土産タイムであった。
金沢駅にはでっかい土産売り場がある。タクシーの運転手さんが「金沢産でそろわないものはない」と言っていたくらいの品揃え。「うれしい~」。オカーさんは活き活きしていた。わたしも土産売り場は好きなので、もう、ふたりで行ったり来たり。2日目は近江町市場を観光し、サンダーバードで家路に就く。「金沢、楽しかった!」と言って寝床に入った母は、翌朝、いつも通り6時25分からテレビの前でラジオ体操をしたらしい。中年娘(わたし)は、いつも通り昼前までぐーすか眠ったとさ・・。(イラストレーター)

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