6月25日 G20サミット「3」

朝日新聞2019年6月19日夕刊5面:議題のテーマは世界経済だけなの? 主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)に参加するのは、加盟20カ国・地域だけではない。国連などの国際機関や招待国も含めて、37の国・機関のトップが出席する。世界中から集まる幅広いメンバーで、何が話し合われるのか。G20サミットは、アジア通貨危機を機に1999年にG20財務相・中央銀行総裁会議として発足。2008年のリーマン・ショックを経て現在の形になった。そのため、世界経済が毎回、最大の議題になる。ただ最近は、多国間で強調して対処しなければいけない差し迫った経済危機に直面しているわけではない。経済以外のテーマも含めて、世界で問題意識を共有し、共に考える場へと変わってきている。今回も世界経済に加えて、気候変動や高齢化、格差といった問題や、女性・若者・高齢者・障害者らが活躍できる社会の実現などが議論される予定だ。これらの問題は先進国だけではもはや解決できない。G20の場で新興国にも議論に参加してもらうことで、実効性を高めていく狙いがある。その一例が海洋プラスチックごみ問題だ。
昨年の主要7カ国(G7)首脳会議で、日本はごみの削減を促す国際憲章に署名しなかった。外務省関係者は、G7だけでルールを作っても実効性が乏しいことを理由のひとつに挙げる。新興国も、先進国と同様にごみ削減しなければ、世界の海を汚すプラスチックごみを減らすことにはならないからだ。削減目標や規制内容をめぐって先進国と新興国が対立しており、日本は先進国と新興国の主要国が一堂に会するG20サミットの主要議題にする方針だ。
G20サミット議長の安倍晋三首相が重視している議題のひとつが、デジタル貿易のルール作りだ。人工知能(AI)などの先端技術を活用して経済の成長や格差の是正を進めるためには、産業や医療などのデジタルデータを、国境をまたいで流通させることが必要になる。そこで、個人情報や、国家安全保障上の機密以外の匿名のビッグデータの流通に、物流やサービスと同様の国際的なルールを作ろうというのが日本政府の考えだ。G20サミットで、ルールづくりに向けた交渉枠組み「大阪トラック」を提唱して交渉を始めたい考えだ。さらに、高い技術力や財務健全性、現地での雇用創出などを伴った開発「質の高いインフラ投資」も議論される。すべての人が負担可能な費用で医療にアクセスできる「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ」の実現に向けた、国際保健の枠組み強化も話し合う予定だ。
どう議論を進めていくのかについては「シェルパ」と呼ばれる各国首脳の補佐訳が事前に協議する。調整は難航することも多く、なんと折り合えるよう、夜を徹した調整が首脳会議の直前まで続けられる。(小野田甲太郎)

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