6月13日 家事のお値段「5」

朝日新聞2019年6月7日夕刊9面:「〇〇万円の壁」ってどういこと? 2016年10月以降、501人以上の企業で週20時間以上(年収106万円が目安)働くパート労働者は、厚生年金や健康保険の社会保険に加入しなければならなくなった。厚生労働省が今年2~3月、大勝の企業などにアンケートしたところ、自由記述にこんな回答があった。「社会保険の加入を望まないスタッフが転職するケースが増えた」(小売業)「昨年1年間で、弊社側の費用負担は、約2億円増加した」(飲食業) これまで配偶者に扶養されていて、自身の保険料を払っていなかった人や。保険料の半分を払わなければならなくなった企業にとって、負担増を避けたいという思いが垣間見える。主婦が働く時、「〇〇万円の壁」があると言われる。自身に税金がかかるようになり、多くの企業が配偶者手当の支給基準にしている年収「103万円の壁」、夫の扶養を外れて社会保険などに加入しなければならなくなる「130万円の壁」・・。同省の調査では、100万~130万円の間で働き方を調整する人が目立つ。大企業で働く人には、これに「106万円の壁が加わった形だ。厚労省の懇談会では、厚生年金のさらなる適用拡大が議論されている。今後、ますます基準が下がり、中小企業にも適用が広がれば、パートの働き方に大きな影響を与えるだろう。
社会保険に加入すれば、将来の年金額は増え、病気やけがの保障も厚くなる。だが、新たな保険料の負担で目先の収入は減る。損得の分岐点を超えるには、働く時間を思い切って増やす必要がある。一方、同省の調査で、パート労働を選んだ理由として「家庭の事情(育児・介護等)で正社員として働けないから」をあげた人は女性では2割強おり、簡単にはいかない。変化の兆しはある。内閣府が推計した家事活動の貨幣評価のうち、女性が占める割合は1981年には91.7%だったが、2016年には80.3%に低下し、男性の占める割合が高まった。家事の時間を01年と16年で比べると、女性は年49時間減ったのに対し男性は年75時間増えた。男女の差は縮まったが、まだ女性に偏っている。法政大学大原社会問題研究所の藤原千沙教授によると、子どもがいて大人が2人以上の世帯の国際比較で、日本は大人1人だけが働く世帯では貧困率は低いが、2人以上の大人が働く世帯では他の国より貧困率が高まる。つまり、子どものいる女性が働いても世帯が貧困から抜け出す力にならないのが日本の特徴だという。特にしわ寄せを受けているのが、母子家庭の母だ。母子家庭は、家計の柱として有償労働をしながら保険料も負担し、無償労働も一人で背負っている。今後、労働力の不足を背景に、政府が「女性活躍」をめざすなら、保育園を整備したり男性が家事に参画できるようにしたりして、無償労働お分け合う仕組みが必要だ。 =おわり (杉原里美)

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