6月12日 家事のお値段「4」

朝日新聞2019年6月6日夕刊7面:主婦の年金どうなっているの? 「世の中は人手不足。3号の働きたい人たちがいるのに、もったいない」5月31日、短時間労働者の年金などについて議論する厚生労働省の懇談会で、メンバーの一人が、あるグラフを示しながら意見を述べた。「3号」とは、国民年金の「第3号被保険者」のことだ。年金制度の中で、会社員や公務員に扶養されている配偶者を指し、約99%を女性が占めている。グラフは、同省が懇談会に出した資料の中にある。3号の就業状況と就業希望を表したものだ。3号のうち、20代の約4割、30代の約3割が「就労を希望しているが、就労できない」を選択していた。同省は、その理由として、出産や育児などを挙げている。外で働きたいのに、出産や育児で家庭にとどまっている女性が少なくないのだ。もともと、専業主婦は、自営業者らと同じ国民年金に任意加入することになっていた。だが、加入せずに、将来、無年金になる人が増えると予想された。そこで、旧厚生省は1986年から、専業主婦も国民年金に強制加入とし、雇用者の年金全体の中で保険料をまかなうことで、主婦の年金権を確立した。これが3号制度の始まりだ。一方、同じ専業主婦でも、夫が自営業者の世帯では、国民年金の保険料を負担しなければならない。また、共働き世帯の配偶者は、保険料を個別に負担している。こうした点が不公平だという指摘もあった。2001年、厚生労働省は「女性のライフスタイルの変化等に対応した年金の在り方に関する検討会」を設置。有識者らが、3号制度を含む女性の生き方や働き方に中立な年金制度への見直しを議論した。
その結果、報告書では、めざすべき方向として、「女性自身の貢献がみのる年金制度」がうたわれ、「年金の支え手を増やしていく方向」などが確認されたが、3号制度に関しては具体的な改革案が示されることはなかった。3号世帯の年金保険料は2004年、夫婦で保険料を「共同負担」したものとみなされることが決まった。これを根拠に、離婚する際は、厚生年金など年金の2階部分の給付についても、結婚期間き応じて分割できる制度ができた。らだ、3号の制度設計が公平かどうかについては、識者の間でも評価が分かれたままだ。一方、3号を将来的に縮小していく方向性は合意されており、現在、パート労働者への厚生年金の適用拡大が議論されている。
5月に話題になった雑誌「週刊ポスト」のウェブサイト「マネーポスト」の記事は、「働く女性の声を受け『無職の専業主婦』の年金半額案も検討される」という見出しで、女性の間に反発の声が上がった。この記事について、厚労省は「今は、3号について議論していない。新たに保険料を微収したり、給付を半額にしたりする案が検討されている事実は一切ない」と否定している。(杉原里美)

 

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