6月11日 生保業界 続く「禁じ手」

朝日新聞2019年6月6日7面:代理店への「報酬合戦」 「6月までに新契約で50万円達成した代理店は、20%の営業支援費を上乗せ」「推進施策」と題された数枚の文書にはこうした趣旨が盛り込まれていた。今春、ある外資系生保が乗り合い代理店向けに配った手数料の案内だ。がん保険などで期間中にノルマを達成すれば、通常の手数料に加えてボーナスを支給するのが目玉となっている。載り合い代理店は、様々な保険会社の商品を販売する。自社の商品を売りたい生保が、代理店へこうした販売促進策を採ることはいまや「禁じ手」とされる。代理店が顧客に対して本当に必要な商品を勧めるのではなく、自らに「うまみ」がある商品を優先的に販売することを助長しかねないからだ。
近年金融庁の目も厳しい。この文章には「第三者へ開示又は漏えい」を禁止したうえで、変更・中止の場合として「行政動行」も加えられている。ただ同社広報は「多様な代理店の特性に応じた手数料体系を用いており、その一部だ」とするこれは。氷山の一角にすぎない。生保業界の内部資料によると、代理店への営業を巡って7社が問題視された。「表彰旅行研修」名目で実績の良い代理店に慰安旅行を企画したり、特定の実績にはギフト券を渡したりといった例もある。「マーケティング・コスト」「協賛金」「支援金」といった名目でオフィス機器の設置コストを生保が負担するなど、「巧妙にもなっている」と生保関係者は話す。
金融庁は2月、意見交換会で代理店への営業の現状に苦言を呈した。一部の生保が、代理店への「マーケティング・コスト」の負担をやめた代わり、一定の販売量を超えた場合は手数料を上乗せする体系を導入したと指摘。代理店の一部は手数料を得られる生保の商品ばかりを販売するようになったという。かつても同様の行為が相次いだ。2017年に生命保険協会が自粛を促し、業界で改善に取り組んできた再びの過剰状況に「このご時世にまだこんなことをやっているのか、とあきれるしかない」と、ある大手生保関係者はいう。
生保業界では乗り合い代理店の存在感が増している。営業職員全体で、「義理・人情・プレゼント」(GNP)といわれた保険営業は過去のものになってきている。代理店がメインで扱う医療保険やがん保険などは競争が激しい。代理店に営業攻勢をかけて自社の商品を売ってもらおうとしがちだ。代理店への「報酬合戦」が過熱すれば、きちんと代理店に相談し、自分に合った保険を選びたい顧客にはデメリットだ。ひいては代理店業界の信頼低下を招きかねない。問題を重く見た金融庁は生保業界への調査を進めている。業界が顧客本位の姿勢に戻れるかが問われている。(柴田秀並)

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