6日てんでんこ南海トラフ13

朝日新聞2017年3月2日3面:防災訓練の参加率は高い。だが、どれだけ現実味があるか。 静岡県の人口2割近い約70万人が参加した昨年12月の地域防災訓練。焼津市の第五自治会の集会所では、町内会長らが報告する参加人数がホワイトボードで集計された。「687人。夏から減ったかね」
地区には、焼津漁港やJR焼津駅周辺の住民約3千人。高齢化が進み、マンション住民も増えている。世帯数で見れば半数近いが、顔をそろえた十数人から疑問が相次いだ。「避難用のタワーやビルの方が、家より海に近いっけに。ほんだら、現実的な避難先とは言えないじゃんか」
「現状は訓練のための訓練。開始時間にはもう、高齢者が迷惑かけちゃなんねえと非難先に集まっているけえが。危機感を持ってやらにゃ、いざというとき話にならんよ」
不動産業を営む自治会長12年目の小池義人(69)は、じっと聴き入った。大地震で駅に満員列車がいれば、数百人から1千人もの乗客を迎い入れなければならない。線路やホーム上で命が助かっても、助けが来るまでの数日間をどう過ごすかー。指摘は尽きない。
小池は周辺の中高層ビルを思い浮かべながら言った。「マンション住民は自治会に未加入。建物はオートロック。ホテルは宿泊客が優先。住民の避難までは・・・」
反省会には、防災対策の助言を続けてきた京都大教授の矢守克也(53)と畑山満則(48)の姿もあった。「訓練にでれだけ現実味があるか。悩みは全国共通でしょうね」。場の空気をやわらげるように矢守は言った。
「宮城県でも、海に近い避難先に逃げる訓練をしていて、実際に命を落とした人がいました。避難訓練であっても、本当に逃げるべき方向へ逃げましょう」と畑山は言い、持ち歩いているパソコンの画面を見せた。
画面は地域の地図。東は焼津漁港、北は瀬戸川、南は小石川、津波は3方向から来る。まずは西。盛り土がある東海道線の線路へ。時間があれば、線路伝いに焼津駅へー。畑山は、駅に向かう途中にある焼津高校も挙げた。全校生徒約480人と地域住民約300人が3日間とどまることを想定した備蓄があり、生徒らが地域の防災活動に加わる私立の女子高だ。(大内悟史)
備え 避難訓練でも現実味のある避難経路を考えましょう(畑山満則教授)

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