5月5日 ある日突然 脊髄損傷【4】

朝日新聞5月5日18面:脊髄は背骨の中を通る手の指ほどの太さの中枢神経。傷つくと、その部位から下に脳からの指令が伝わらなくなり、下からの信号が脳に届かなくなる。
脊髄損傷で起きる主な障害に△手足を思うように動かせなくなる運動まひ△熱さや痛さなどを感じなくなる感覚障害△体温調整がしにくい、立ったり座ったりしたときに血圧が低下する、などの自律神経障害△排せつや排便がうまくできない排泄障害がある。
傷ついた脊髄の部分によって障害の出方は異なってる。一般的には損傷の部位が低いほど、残る機能が増えるとされる。また、損傷した程度によって障害の重さは変わってくる。軽ければ、直後は障害が出ても、機能が回復する可能性はある。
連載で紹介した埼玉県の地方公務員池田歩さん(23)は、首の骨である頸椎を骨折し、脊髄の一部を損傷した、このため、頸椎がつかさどる手足の運動機能などに障害が残った。
国立病院機構村山医療センター(東京都武蔵村山市)整形外科の藤吉兼浩医長によると、国内では毎年約5千人が新たに脊髄損傷になるとみられる。主な原因は、転落事故や交通事故のほか、スノーボード、ラグビー、柔道などのスポーツによる外傷だ。
近年は高齢者が自宅の中で転倒するなど、身近な場所で起こるけがでなるケースも増えているという。加齢に伴い、首の神経の通り道が狭くなる「頸椎症性脊髄症」などがあれば、比較的軽いけがでも脊髄を損傷する危険が高まる。池田さんのように骨折した場合は、骨を固定する手術が選択されることもある。今のところ、損傷した脊髄の再生に有効な治療法はないとされている。
注目されているのが、細胞移植による脊髄の再生だ。ips細胞を元に作った神経幹細胞や脊髄から採取した間葉系細胞を移植し、失った神経を再生させる治療法が進められている。
藤吉さんは「移植などの将来的な治療につなげるためにも、残った機能の向上と、関節が動きにくくなる『拘縮』(こうしゅく)などの予防を目指して、受傷後の早い段階から、適切なリハビリテーションを続けることが重要だ」と話す。(伊藤綾)

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