5月26日 スマホで受験勉強 広がる未来

朝日新聞2019年5月22日25面:月額980円 授業動画アプリが助けに 中高生の大半がスマートフォンを持ち、気軽にインターネットにつながる時代。スマホで受験勉強ができるアプリも登場しました。比較的安価で、どこでも学べるのが特徴です。この4月から早稲田大学で学ぶ男性(21)は、母子家庭で育った。昨年の秋まで別の大学に通っていたが、「自分のように、勉強するためのお金の問題で悩んだ人を助けたい」と強く思うようになった。eラーニングが進んでいると感じた早大を受け直すことを決意。金銭的余裕がないか、「スタディサプリ」というスマホのアプリで受験勉強をした。このアプリのベーシックコースは月額980円で、受験に必要な5教科18科目の授業動画を無制限で見ることができる。動画は1本15分程度で、解説テキストも画面に表示される。講義数は、例えば高校3年生向けの英語なら「時制」「仮定法」など項目別に156、18科目全体で1万を超える。男性は学費などを稼ぐため、早朝や深夜にアルバイトをする日々だったが、「時間とお金がなくても、スマホがあればすき間で勉強できた」。今の大学での学びを通じて、「恵まれない子どもたちの教育、情報格差をなくしたい」と語る。福島県の県立高校を卒業し、春から早大に進学した須田葉菜花さん(18)も、このアプリで学んだ。
周りの人たちはほんとんどが県内の国立大を志望。学校の授業もその大学を意識した構成だった。地域に大手の予備校はなく、受験勉強は「スマホのアプリが頼りだった」と振り返る。細かく分けらた授業動画を「分からなければ何度でも繰り返せる」ことが学習の助けになったという。須田さんはベーシックコースに加えて、1コマ約90分の生配信授業も受講した、一般の予備校の夏期講習や冬期講習にあたる生配信では、生徒が質問などをスマホを通じて投稿でき、講師は投稿にコメントしながら授業を進める。生配信は1講座につき約1万円。スダンさんは秋と冬に受け放題コースを選び、合計7万円ほどだったという。スタディサプリを運営するリクルートマーケティングパートナーズの山口文洋執行役員は、「(塾などの)放課後サービスが、富裕層向けであっていいはずがないという思い」で、8年前にアプリの前身となるサービスを立ち上げた。現在のスタディサプリには高校受験や社会人向けのコースもあり、2018年度の合計有料会員は84万人だ。講師は大手予備校と兼業の人もいれば、移籍してきた人もいるという。「『自分の授業を受けられるのは、裕福な家の子だけのでは』と疑問に感じていた予備校講師が予想外に多く、私の思いを説明したら、快く参加してくれました」と山口さんは話す。
「教育格差」縮めるネット 難関大へ合格するには、浪人して予備校へ通うのが王道ー。「そう言われてる時代が長く続いてきた」。大学受験に詳しい教育ジャーナリストの小林哲夫さんは言う。ただその王道を歩むのは、「授業料」という大きなハードルがあった。大手予備校の場合、現役生が1年間通うとすると総額50万円程度はかかるのが一般的だ。浪人生だと100万円程度かかることも珍しくない。「難易度が高い大学にくために、地方出身者は都会の予備校の寮に入って勉強する時代があった」(小林さん)。寮に入ったら、さらに100万円以上かかる。衛星を使った通信授業を行う予備校が全国に広がり始めると、地方の学生が寮に入らなくても都会の予備校の授業を受けられるようになった。ただ、通信授業を行う教室も遠くて通えなかったり、予備校の費用負担が重たかったりする人たちもいる。文部科学省が、幼稚園から高校の子どもを持つ世帯を対象に行った学習費調査(16年度)によると、予備校などの「補助学習費」は、子どもが公立高校に通う年収400万円未満の家庭の平均支出で年6.9万円。一方、1200万円以上の家庭では35.4万円と、世帯収入によって大きく異なる。こうしたなか、小林さんは「多額の費用をかけなくてもネットで受験勉強ができるようになった。ネットは受験機会の平等化を促している」とみている。(西村綾華、有近隆史)

朝日新聞ASAの伸光堂西部販売 森林文化協会

ご予約・お問い合わせはお気軽に

Tel0120-740-276

〒352-0011 埼玉県新座市野火止8-14-29

ページトップへ戻る