5月22日 悩みのつぼ 子供がいないことを母が責める 

朝日新聞2019年5月19日be10面:相談者女性60代 60代の女性です。母との関係に悩んでいます。私たち夫婦には子供がいません。結婚当初は子供が欲しくて不妊治療もしましたが、私に病気が見つかり、諦めるしかありませんでした。そんな私に対して、母は長年にわたって、何かあるとすぐ「子供を育てたことがないから苦労が足りない」などと責めます。私が体調不良で実家に連絡できなかった時にも怒って、「子育ての苦労がないから・・。具合が悪くのも気のせいだ」とまでいうのです。これまでは親だから、と思って我慢して聞いていましたが、数カ月前、ついに反論して現在は絶縁状態になりました。以前も同じようなことで1年半ほど連絡をしなかったことがあるのですが、今回、母は私の夫に対しても「もう連絡してくるな」といい、私の弟に対しても自分の言い分だけを話したようで、完全に私を悪者扱いです。私の夫は「いくら母親から自分の娘に対してでも、言ってはいけないことだ」「お母さんに対して、しばらく何もアクションを起こさなくてもいいのでは」と話してくれています。私は「母と縁を切りたい」と思っていますし、「もう実の母親だと思いたくない」という気持ちでいっぱいです。これからの母とのつきあい方をどうすればいいのでしょうか。よろしくお願いします。
回答者 歌手・俳優 美輪明宏 「絶縁状態」を感謝して受けよう あなたの悩みには救いがあります。それは理解のある素晴らしい夫の存在です。夫婦中もいいようですし、愛し合い、信頼し合いっているのですね。お母様のこと以外は、とても幸せで恵まれているのはないでしょうか。さて、問題のお母様です。子供の有無で人を判断するとは開いた口がふさがりません。子供がいなくても苦労をしている人はいます。お母様はお孫さんが欲しかったのかもしれませんが、あなたにはあなたの人生があります。何ら恥じることはないのです。そもそも、子供がいるから幸せとは限りません。子供=幸せの方程式は妄想です。子供が引き起こした一家離散、親戚一同までもが迷惑を被るような出来事だって時代や場所を問わず、珍しくありません。子供さえいなければ幸せに暮らしていた人たちだって、たくさんいるのです。念のために付け加えておきますが、もちろん子供がいて幸せな人もいます。どちらも人それぞれなのです。
とにかく、この時代になっても「子供がいないから・・」と決めつけている愚かな人が、どこかの国の政治家たちのように、けっこうな数で存在しているのですから、本当に厄介なことです。さて、対処方法です。今回は簡単です。お母様が夫に「連絡してくるな」といっているなら、こんなにありがたいことはありません。今までお母様がしてきたことで最もよかったことは、あなたを産んでくれたこと、今回絶縁状態にしてくれたことです。どちらにも感謝しつつ、素晴らしいプレゼントとして受け取るべきでしょう。仲直り? 冗談じゃない。そんなことをすれば、再びストレスの原因を抱え込むことになります。こういうタイプの人は、なかなか絶縁なんてしてくれません。たとえお母様が病気になっても、もう介護の必要だっていのです。おめでとうございます。
もし躊躇があるのなら、あなたはお母様のことを人間でなく「母親」という生物だと認識していませんか? 母親も人間です。たまたまDNAなどで少しの縁があるだけで、生まれた時代も育った環境も違う人間同士。本当に世話になったのなら別ですが、人格否定を繰り返されながらも「母親だから」という理由で我慢を続ける必要はありません。それでも踏ん切れなければ、あなたはお母様から生まれた娘だとは思わず、海から生まれたヴィーナスだと思ってください。

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