5月21日 ダービー「5」

朝日新聞2019年5月17日夕刊9面:「無敗の王者」たち どんな逸話が? 今年のだーにーはデビューから皐月賞まで4戦4勝の無配馬サートゥルナーリアが大本命だ。勝てば、2005年のディープインパクト以来、11頭目の「無敗のダービー馬」となる。昨年6月にデビューを果たすと、3戦3勝で昨年末のG1レース、ホープフルステークスを制した。3歳初戦の皐月賞は4カ月ぶりのぶっつけ本番で臨んだ。過去にこれほどの休養明けで皐月賞を制した馬はいなかったが、そんなジンクスはお構いなしに、ライバルたちをねじ伏せた。無敗のダービー馬の中ではトキノミノルのドラマが有名だ。1950年7月、2歳時に函館競馬場でデビューした。2着に8馬身差をつけ、レコードタイムで優勝を飾った。この時の馬名はパーフェクトといった。オーナーは映画会社・大映社長の永田雅一さんだった。私が競馬にかけてきた情熱が『実る時』が来た」といい、2戦目からトキノミノルと改名した。現在のルールではデビュー後の馬名変更は認められていない。
その後も八つの白星を重ね、5度のレコードタイム更新を記録した。9戦全勝で皐月賞を制し、迎えた51年ダービーだが、体調は思わしくなかった。それでもまたレコードタイムをマークして優勝した。17日後、歓喜は悲劇に変わる。破傷風に侵されていたトキノミノルは命を落とした。作家の吉屋信子さんは生き急ぐように世を去ったトキノミノルを「幻の馬」と悼んだ。永田オーナーは映画「幻の馬」を製作し、愛馬をしのんだ。84年の優勝場シンボリルドルフと91年に栄冠をつかんだトウカイテイオーは父と息子の関係だ。シンボリルドルフは6戦全勝でダービーを制した後も連勝し、8戦8勝で菊花賞をものにした。皐月賞、ダービー、菊花賞の3冠を無敗のまま駆け抜けた初めての馬になった。合計七つのG1タイトルに輝き、「史上最強馬」と呼ばれたシンボリルドルフが種牡馬になって1年目に送り出したのがトウカイテイオーだった。父と同じく5戦全勝で皐月賞馬になったトウカイテイオーは、ダービーでは不利といわれる大外20番枠からのスタートとなった。それでも、ライバルとの実力の違いは歴然だった。現在のダービーは最大18頭立て。ゼッケンは20番のダービー馬はトウカイテイオーが最後になりそうだ。
ダービーの父子2代制覇は史上4例目のケースとなった。その後、8例が加わったが、父も子も無敗でのタイトル奪取はこの親子1組しか達成していない快記録である。中央競馬の全勝馬といえば、76~77年に生涯8戦8勝の記録を残したマンゼンスキーも有名だ。外国産馬扱いだったため、当時の規定ではダービーに出ることができなかったが、引退後に子孫に卓越したスピードを伝えた。サートゥルナーリアは母方にマルゼンスキーのDNAを持っている。 =おわり(有吉正徳)

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