5月16日 「夜」の女性 支える【下】

朝日新聞5月16日29面:都内に住む女性(27)は限界を感じていた。ホテルなどで客と会う派遣型(無店舗型)風俗「デリヘル」で働き始め4年。3歳下の弟が大学に通う学費や実家の援助のために始めたという。週4日ほど出勤し、月収は30万円ほどになるが、発熱や嘔吐(おうと)という体調不良に頻繁に襲われていた。
昨年秋、風俗店で働く女性の「セカンドキャリア」を支援する団体があることをネットで知った。一般社団法人「Grow As People」(GAP、東京都荒川区)だ。風俗以外に職業経験が乏しい女性たちに、スキル(技術)を身につける場を提供していた。
GAPの特徴は、風俗の仕事を続受けながら、やめる準備ができることだ。風俗の仕事がない日を使い、GAPや非営利団体(NPO)で、インターンシップをしてスキルを習得していく。例えばホームレス支援や教育支援という実践的活動をしている

2016/ 5/16 13:53

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NPOならば、事業計画づくりなどを学べる。
女性は、週1回、GAPでのインターンを始め音楽関係者のホームページづくりを担当した。IT知識に加えて、ビジネスメールの書き方も教わった。「風俗勤務だけの時は、社会から切り離されている感じだった。人に言える活動をして、自己肯定感が強くなった」。3月から、さらに情報技術を磨こうと職業訓練に通い始めた。近い将来、風俗から「卒業」するつもりだ。
「稼げている女性でも収入が落ちる『40歳の壁』にぶつかる。その前に次の道に進めるように導いてあげたい」。代表の角間惇一郎さん(32)が風俗で働く女性たちの声を聞き始めたのは2010年のことだ。この年の夏、大阪市で風俗勤務の女性が子ども2人を餓死させた事件が起きた。報道が出る数日前、たまたま、ある風俗店オーナーと知り合う機会もあった。「風俗の世界で何が起き、女性の現状はどうなっているのか。詳しく知りたいと思うようになった」
多くの女性が厳しい状況にあった。職を離れて、生活保護を申請したけれど分からない。望まない妊娠を誰にも言えないー。12年にGAPを設立し、孤独しがちな女性たちの相談、支援を始めた。
次第に風俗専業の女性たちが履歴書の「空白」を抱えるために、転身できない問題を重視するようになった。それが、いまの活動になった。これまでに30人ほどの転身に結びついた。
「プライドを持って高収入を得ている女性がいる一方、仕事がきつくて次の道に進みたい人たちも多い。夜の仕事から昼の仕事への懸け橋となる支援を続けていきたい」
<ニーズくみ取る試み 広がりに期待> 評論家 萩上チキさん
他の労働市場でもそうですが、セックスワーカーの課題も、「ミスマッチ」と「労働条件」に大別して考えられます。この仕事をするかどうかは本人の自己選択です。その上で指摘できるミスマッチは、他の就職先がなく、モチベーションがなくても続けてしまうというものです。
労働条件の問題は、例えば必要経費の「自腹」であるとか、ペナルティーを科されて取り分が減るなどといった、ブラックな

2016/ 5/16 13:25

2016/ 5/16 13:25

労働環境そのものを改善していく必要があるのでしょう。
セックスワークが「非犯罪化」されれば、労働環境の改善を公的にも行きやすくなるでしょう。現在、風俗店に関する情報は、一般には不透明です。だからこそ、議論が道徳的な是非論ばかりに集中する。
実際問題として、女性が1人で外部の支援に直接たどり着くのは難しい。店が協力してくれたり、公的なアポローチが行われたりするなど、橋渡し役があった方が好ましいと考えます。
「風テラス」やGAPんp「セカンドキャリア支援」は、女性の支援ニーズをすくいとる一つです。働く女性の労働条件改善に動いている団体と風俗店舗側が連携する。当事者の意見をくみ取り、環境改善を訴える試みへとつなげる。そうした支援がさらに広がっていくことが期待されます。

朝日新聞ASAの伸光堂西部販売 森林文化協会

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