4月26日 学校と新聞

東京新聞4月26日25面:この三月に学校の教員を退職しました。二十五年以上も前になりますが、生徒が社会に触れて欲しいと思い、新聞に投書させることを始めました。みんなで、新聞社に選ばれるかどうかわからない投書文を読み合い、討論するのです。盛り上がることもそうでないこともありました。
高校二年生が留年して私の学年に来たことがありました。私学なので、その生徒は一年余計に学費を親に払ってもらわねばなりません。これが彼に相当こたえたらしく「一年間勉強をサボってしまい申し訳ない」と書いたのです。この投書が新聞に掲載され、多くの読者から激励の手紙が寄せられました。もちろん、生徒はやる気を出して卒業してくれました。
こんなこともありました。反抗期だったのでしょうか、授業に身の入らない生徒がいて、保護者ともよくお話をしました。その生徒がたまたま押し入れに育児手帳を見つけ、母親が自分のことを書いた記述を読んだのです。自分がいかに大切に育てられたのかを知り、母親への感謝の気持ちを書いて投書しました。これも多くの読者、特に母親から反響がありました。
私が投書したこともあります。電車通学をしている生徒が座席をお年寄りに譲ろうとしたところ、拒否されて恥ずかしさのあまり途中下車してしまった、という内容の投書です。これが新聞に掲載され、これを読んだ別のお年寄りから「自分はどんな時でも座席に座らず立つ。そのようなことで若者が下車するのは情けない」という反響が掲載されました。
これには私も腹が立って「そのような時は若者の勇気に免じて座るべきだだし、ひと言『ありがとう』と礼を言ってほしい。それが若者を育てるということだ」と反論を書いたところ、幸いなことにこれも掲載され、紙面上で意見が飛び交ったことを思い出します。その後、この生徒が「老人が来るとそっと席を離れ、別の車両に移ることにした」と、彼の友人が私に教えてくれた。
三十七年もの教員生活はあっという間でした。そんな彼らも、高校生の子どもを持つ年齢になっているでしょう。新聞の投書は私の授業に欠かせないものでした。(明治大学付属明治高校・中学校元副校長・坂口泰通)
😀 私たち新聞を販売しているスタッフもお客様の投書記事は、楽しみに読んでします。ほとんどが記事に関してのことが多いのですが、ごくまれに配達スタッフに向けての、お言葉がある時など、嬉しくてみんなで話題になります。自分の書いた文章が掲載された時の感動は、一生の宝となることでしょう。これかも生徒さんからの投書をお待ちしております。ありがとうございました。

朝日新聞ASAの伸光堂西部販売 森林文化協会

ご予約・お問い合わせはお気軽に

Tel0120-740-276

〒352-0011 埼玉県新座市野火止8-14-29

ページトップへ戻る