4月23日 手ごわい権力 監視することを意識

朝日新聞4月23日5面:キャスターになって、様々な意見をいただきます。自分の見え方は、気にしたことがなかったので難しいですね。先日、熊本県の被災地に行きました。なぜ駐車場に避難するのか、物資が届かないのか。現場に行かないとわからあい感覚や原因を今後も伝えたい。
事実に向き合うこと、政治権力を監視することを、私の考えとしても、番組の精神としても意識してます。30年間、政治記者をして、権力がいかに強大で手ごわいか知っていますから。
高石早苗総務相の「停波」発言は、放送法や日本国憲法の精神からすると趣旨を誤解していると思う。行政が恣意的に「政治的公平」を判断できると受け取られかねない。「政治的公平」は法律の考え方なので最終的に判断するのは、行政ではなく裁判所です。
視聴者にとって何が公平かは、ジャーナリストや番組の制作者が考えること。それに批判があれば視聴者に表明してもらい、テレビ局側も反論すればいい。そういう議論をしながら、世の中の審判に委ねるのが普通の在り方だと思います。
ある法律を政府がつくる時、報道機関はその過程をニュースとして伝えますが、政府側は官房長官が発表したり、自分たちで宣伝したり、強い力を持っています。メディアは政策を平等に報道すべきだという議論がありますが、政府が発表したものを平等に討論すると、全体的に政府側に有利になる。だから、政治権力に批判的なスタンスでいることは大事なのです。
パーセンテージy時間配分で公平にということではない。昔の自民党政権は何を書かれてもびくともしなかったのに、今はたたかれることを恐れる。ある意味、弱くなったと感じます。
番組では自分の意見を言いますが、あくまで参考。大事なのは視聴者に考えてもらうことです。そうして合意形成するのが民主主義でしょう。だから、「考えるキッカケ」というコーナーも作りました。
テレビは圧倒的な影響力がある。20年前に比べたら政治家も明らかに新聞よりテレビを意識しています。ただ、映像にたより過ぎなところはありますね。先日の甘利明・前経済再生相の記者会見もそう。涙で潔さをアピールした。イメージでスキャンダルを乗り越えようとする権力側の意図を感じました。記者はそのことに気づいてもっと追及しないといけません。(聞き手・松沢奈々子 写真・早坂元興)

2016/ 4/23 13:30

2016/ 4/23 13:30

 

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