4月10日 ペットも家族の一員同じ墓入りたいけど・・

朝日新聞2019年4月5日29面:「家族」の一員として可愛がられているペット。だが、同じお墓で眠りたい、という願いは、まだ簡単にはかなわない。なぜか。東京都町田市の民間霊園「街だいずみ浄苑」は15年ほど前ペットと眠れる墓の区画を売り出した。すでに完売し、今はペットと一緒の樹木葬のみ受け付けているが、今年だけで40件以上の問い合わせがあったという。亡き夫と息子、愛犬が眠る墓にお参りしていた同市内在住の女性(80)は5年前に墓を購入。「皆で仲良くそばにいたいから」という。 「お寺に断られた」日本で飼育されている犬と猫は、昨年のペットフード協会の推計では約1855万匹。15歳未満の人口よりも多い。手厚く葬る人も多く、約90社が加盟する全国ペット霊園協会によれば、ペット霊園は全国に600ほどある。
だが、人間とペットが共に入れる墓地はまだ一般的ではない。50年以上前から共に入ることを認めている東京都港区の魚藍寺には、「霊園やお寺に断れた」という相談が各地から寄せられている。ロシア大統領から贈られた「ミール」を含め7匹の猫と暮す佐竹敬久・秋田県知事(71)の家では、3年前、最古参の「ニャア」が旅立った。知事は、秋田藩主を歴代努めた佐竹一門の「佐竹北家」の21位代当主。「私の墓の隣に、ニャアのお墓を作ってもいいか」と、先祖代々が眠る菩提寺に尋ねてみたが、結果はNO。おえっと霊園に葬った。「ペットを子どものように可愛がる高齢者は多く、需要はあると思いのですが」
抵抗感強い人も なぜ、ペットと共に墓に入れないのか。公営霊園では、人間の遺骨以外の理葬を認めないところもある寺院や民間霊園では、仏教で、人間が輪廻転生する六つの迷いの世界(地獄道、餓鬼道、畜生道、阿修羅道、人間道、天道)のうち動物は「畜生道」に属し、人間が悪い行いをすると落ちるとされてきたことや、抵抗感が強い人も多いことなどがその要因とみられる。ただ、ペットへの感覚が変わったことを受け、仏教界にも変化が。ジャーナリストで僧侶の鵜飼秀徳さんは、「ここ数年、『うちの子は成仏できる? あの世で再会できる?』という質問を僧侶が受け、どう回答すべきか悩む例がでてきた」という。
宗教的な議論続く こうした状況を受け、浄土宗では「ペットは極楽浄土に行けるのか」という議論が続く。2月に増上寺(東京都港区)であった公開講座には、200人以上の僧侶らが集まった。テーマは「ペットは往生できるのか」。安達俊英・佛教大学元准教授は、念仏を唱えられない動物はそのままでは往生できないとして、「供養の時は、次は人間に生まれ変わりますように、と願うべき」と主張。一方、林田康順・大正大学教授は、供養すればすぐ往生できるとし、「あなたの思う最も理想的な姿で浄土に生まれ直すでしょう、と答える」と反論した。会場からは、「同じお墓に入っていいのか」という質問も飛んだが、2人は問題ないとした。司会を務めた大正大学の石川琢道准教授は、「宗教者として、ペットロスの哀しみに応えられるかが問われている。教学的な議論を重ねる必要がある」と述べ、今後も議論を深めたい考えだ。(丸山ひかり)

 

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