26日 私の東京物語 中尾彬

東京新聞2017年4月21日30面:「民芸」の新入生は「俳優教室」から始まり、次が「研究生」、そして、やっと「劇団員」となるシステムだった。同機にはNHKの朝ドラで有名になった「おはなはん」の樫山文枝がいた。
研究生の頃は、稽古が終わると渋谷に直行、映画を観たり道玄坂の百軒店にあるロシア料理店でピロシキを4個食べ、山手線のガード下の居酒屋「とん平」に。ここは新劇陣がたむろしている店として有名だった。重鎮や中堅の俳優のいるなかで私や他の劇団の新人たちは澄のテーブルで、おでんや馬刺しを肴に青臭い演劇論を戦わせていた。その時の勘定はだれが払ったのか現在でも謎である。
私に役がついた。初舞台である。アーサーミラー作「セールスマンの死」。主役の滝沢修を相手にする若手の弁護士役だ。連日必死に食らいついたが力の差は歴然、悔しくて、毎日、東横ホールのドアを蹴っていた。
それから5年、旧態依然とした新劇団を尻目に、アングラ演劇が出現したり、他の演劇界との交流が盛んになってきた。世界が動きだしたのだ。もっともっと翼を広げたい! 私は退団を決意し、フリーとなった。
各界の人々と仕事をし、いろにろな人々に支えてもらいながら現在も俳優を続けている。そして、カミさん(池波志乃)と結婚し、ずっと下町暮らし。あの象の「はな子」さんがいあた動物園に近いのも、何かの縁か…。(俳優)

朝日新聞ASAの伸光堂西部販売 森林文化協会

ご予約・お問い合わせはお気軽に

Tel0120-740-276

〒352-0011 埼玉県新座市野火止8-14-29

ページトップへ戻る