26日 問う「共謀罪」

朝日新聞2017年5月23日34面:反対・慎重 意見書 地方議会で相次ぐ 「共謀罪」の趣旨を含む組織的犯罪処罰法改正案をめぐり、全国の地方議会で反対や慎重な審議を求める意見書が相次いで可決されている。朝日新聞の22日のまとめでは、国に意見書を送ったのは沖縄県の2町村など全国の計57自治体。法案は23日に衆院本会議で採決される見通しだ。
意見書は4月上旬、衆院事務局のまとめで36件だった。今回は内閣官房への聞き取りや独自取材なども含めて集計した。沖縄県中城村会は今月9日、廃案を求める意見書を賛成多数で可決した。米軍基地への抗議行動への影響を懸念し、「沖縄県民の平和運動が真っ先に『テロ等準備罪』の標的となり、激しい弾圧の対象となるのは火を見るより明らか」とした。
意見書案を提出した新垣徳正議員は、米軍普天間飛行場の辺野古移設への抗議行動に加わっている。「国策に反発している沖縄の市民運動は『共謀罪』の影響を最も受けやすい」と話した。保守系の議員が意見書に賛成した自治体もある。
愛知県岩倉市議会は今月9日、「共謀罪」法案について、国に慎重な審議を求める意見書を全会一致で可決した。「十分に時間をかけて議論し、幅広い観点から慎重に審議することを強く要望する」とした。
大野慎治議員は保守系で「基本的には賛成」としながらも、「娘がいる父親として、(性犯罪の厳格化を盛り込んだ)刑法改正案の成立を優先すべきで、順番が逆ではないか」と疑問を投げかける。
法案は19日に衆院法務員会で可決されたが、同じく保守系の黒川武議長は「解明されなかった疑問が、今後の論争で明らかになることを期待したい。国の問題であっても、市民の安全安心に関わることには地方議会からも発言していくことが大事だ」と指摘した。
こうした地方議会の意見書はどう扱われるのか。衆院事務局によると、受理した意見書は国会の動きを伝える「広報」に掲載する。首相あての意見書を受け取る内閣官房の担当者は「首相官邸に原本を届ける」と話した。


憲法学者ら、首相批判「政治家の態度ではない」 5月3日の安倍晋三首相の改憲メッセージをめぐり、法学などの専門家でつくる「立憲デモクラシーの会」は22日、東京都内で記者会見し、「改憲自体が目的であるかのように、憲法を軽んじる言辞を繰り返すことは、責任ある政治家のとるべき態度ではない」と批判する見解を発表した。安倍首相はメッセージで、憲法9条1項と2項を残し、自衛隊の存在を明記すると主張した。これに対し見解では、「自衛隊はすでに国民に広く受け入れられた存在で、憲法への明記に意味はない」と指摘。首相が改憲の理由に「自衛隊は違憲」とする学者らの見方を挙げていることについて、「憲法学者を黙らせることが目的であれば憲法の私物化」と批判した。
青井帆・学習院大教授(憲法)は会見で「自衛隊を憲法に書き込むと、武力行使の限界がなくなり、9条2項が無効化する」と指摘。石川健治・東大教授(憲法)は「(憲法に自衛隊が掛かれていないことで)軍隊を持てるのかということが常に問われ続け、予算などの面でブレーキになってきた。その機能が一気に消えてしまう」と話した。(編集委員・豊秀一)
「改憲 首相の個人的願望の押し付けだ」 立憲デモクラシーの会の長谷部恭男・早大教授に、安倍晋三首相のメッセージの問題点を聞いた。
憲法は、まだ生まれていない将来の世代を含めた長期にわたる国益を左右する社会の基本原則だ。だからこそ、国会でじっくり審議し、安全かつ必要なものだと大多数の人が考える中身となって初めて、国会が発議して国民投票で承認を求めるというのが筋だ。
ところが安倍首相は突然、2020年に改正憲法を施行したいと言い出した。期限を切るには理由が必要だが、何も説明していない。五輪があるからとにかく憲法を変えたいというのは、個人的願望を主権者である国民に押し付けるので、憲法の私物化だ。
自衛隊の存在を9条に明記したいというが、条文を見ないと何がどう変わるか判然としない。ただ確実なのは、集団的自衛権を容認した閣議決定の合憲性をめぐる議論が再燃する。国民投票でも集団的自衛権の是非が問われる。 問題はそこで終わらない。集団的自衛権にしろ武力行使にしろ、認めないという人々が結集して改正案が否決されると何が起きるか。現状でも否定されることになり、戻るべきベースラインが失われ、自衛隊自体をなくせという結論になりかねない。安倍首相はパンドラの箱を開けようとしている。

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