26日 「謝謝」のつながり描く

東京新聞2017年3月23日27面:大震災後台湾で250億円の募金活動 在住30年 木下さんが小説化
なぜ、台湾から200億円を超える義援金が東日本大震災の被災地に届けられたのかー。悲しみに暮れる被災者を励ました台湾の人々の物語「アリガト謝謝」(講談社)を台北市在住の作家、木下諒一さん(56)が出版した。「6年前、台湾で何が起き、どんな思いで募金活動が行われたのか、日本人に知ってほしい」と実話を基に小説化した。 台湾では2011年3月の震災翌日から各地で募金活動が展開された。外交部によると、集まった義援金は250億円余り。日本の5分の1に満たない人口約2千350万人の台湾から寄せられた大きな支援は、被災地の住宅再建や生活支援に充てられた。
木下さんは震災から約2年半後、被災者が台湾について知りたがっていると聞き、募金活動を通して日台のつながりや台湾人の考え方、暮らしぶりを伝えようと構想を練り始めた。小遣いから毎日1元(3.7円)ずつ募金した小中学生、被災者に毛布を手渡したボランティア・・・。30人以上に募金の理由を尋ねて回った。目立ったのが、2400人余りの犠牲者が出た1999年の台湾大地震の当日に救助隊を派遣した日本への恩返しとして募金活動した人たち。東日本大震災の翌朝、台北市の日本人事務所の玄関口に見舞いの花が置かれ、職員が見知らぬ台湾人女性から励まさしのおにぎりを手渡された話には胸が熱くなった。
1895~1945年に日本が台湾を統治し、72年の日中国交正常化に伴う断交後も民間交流が続く日本と台湾。「日本統治時代を懐かしむお年寄り、アニメ好きの若者、質の高い日本製品や勤勉さ、礼儀正しさに憧れる人など日本を好きな人がとにかく多い。日本相手でなかったらこれほど寄付金は集まらなかった」と木下さんは言う。
30年近く台北市内で暮らし「半分は台湾人」という木下さん。「いつか中国語版を出版し、多くの台湾人に日本人の感謝の気持ちを伝えたい」

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