24日 ベビーホテルなど40施設 問題放置

東京新聞2017年5月22日1面:15年度都調査、10カ月以上改善せず ベビーホテルや従業員向けの事業所内保育所など自治体の認可・認定を受けない保育施設で、東京都が立ち入り調査で問題点を指摘した106施設のうち、40施設は未改善のまま10カ月以上、運営を続けていたことが、本紙の自治体へのアンケートで分かった。改善されなくても事業停止や閉鎖の処分を受けるのはまれで、中には子どもの死亡事故が起きた施設もある。
こうした施設は、国の基準で運営されている認可保育所、自治体独自の基準で認定される認証保育所や保育室などと違い、部屋の広さや保育士の数などの基準が緩い。行政の補助金を受けられない場合が多く、一般的に財政基盤が弱い。認可・認定施設と比べ、子どもの死亡事故の発生率も高い傾向にある。
本紙は首都圏の1都6県と5政令市にアンケートし、2015年度の立ち入り状況と、指摘した問題点が今年1月末時点で未改善の施設を調べた。都、神奈川県、横浜、川崎、相模原、さいたま、千葉各市が回答し、他の自治体は「把握していない」などとした。
都で未改善のままだった40施設は「保育者の3分の1以上は保育士などの有資格者」「複数の保育者で子どもを見る」など安全に直結する項目や、火災時などの避難設備に関する項目が直されていなかった。
問題を指摘して1ヵ月以上改善されない場合、自治体は事業停止や閉鎖命令の前段階の「改善勧告」を出せるが、12年4月~今年1月末で都が実際に措置したのは、4件にとどまった。
都の担当者は「事業者が『直す』と言えば、改善の見通しなしと判断すのは難しい」と話す。こうした施設は、認可保育所などに入れない待機児童や夜間保育が必要な乳幼児の受け皿になっている面もあり、「閉鎖すれば利用者の転園先の確保が必要で、勧告は慎重になる」という。(奥野斐)


東京新聞2017年5月22日25面:信じた説明 帰らぬ娘 大田区の施設で事故 保育士不足指摘
行政が指摘した問題点が改善されないまま運営が続いた認可・認定外の保育施設では、最近も子どもの死亡事故が相次いだ。東京都が毎年のように改善を求めながら勧告は出さずにいた大田区の施設では昨年3月、寝かされていた乳児が死亡。15年12月に乳児が亡くなった神奈川県平塚市のベビーホテルも、県が保育者不足を指摘したが、運営は続けられたケースだった。
母「問題指摘されていたとは」 昨年3月、大田区の24時間運営の認可外保育施設「蒲田子供の家」で、山本心菜ちゃん=当時6ヵ月=が命を落とした。都はそれまでの立ち入り調査で施設に保育士不足などを何度も指摘していたが、こうした情報は保護者には積極的に知らされず、母親の恵さん(30)は悔やみきれない思いを抱える。
昨年3月17日午前零時すぎ、飲食店の仕事を終えた恵さんが迎えに行くと、施設が入るビルの前にパトカーが止まり、騒然としていた。警察官から「子どもが心肺停止で病院へ運ばれた」と聞き携帯電話を見たが、連絡の着信はない。ほっとしたのもつかの間、「この子です」と見慣れた通園バッグを見せられた。
病院では娘はチューブにつながれ、顔は真っ白。そのまま息を引き取った。都によると、施設では当時、心菜ちゃんら乳幼児5人を、保育士資格のない園長が1人でみていた。午後7時に預けられた心菜ちゃんは別室に寝かされ、午後11時50分ごろ、園長がミルクを与えようとして異変に気付いたという。
女木美さんは以前住んでいた横浜市で保育所に預けれず、この施設にたどり着いた。娘の将来に備えて賃金の高い仕事をと夜間の職に就き、区内へ転居した。
施設は30年以上の運営実績があり、園長は経験豊富かに見えた。「保育士2人で子どもをみている」との説明を信じた。「まさか何度も改善を指摘されていたとは」。都は立ち入り調査の結果を細かい文字の一覧表にしてホームページで公開しているが、恵さんは知らなかった。市や区の保育相談窓口でも調査の情報は提供されなかった。
事故から3カ月後、都はようやく閉鎖命令につながる勧告を出し、施設は今年3月に閉園した。園長は取材に「事故の状況は話せない。保育士は募集したが集まらなかった」と話した。
心菜ちゃんの死因は今も不明とされ、都が設置する検証委員会が事故について調査する予定だ。
恵さんは毎日がつらいという。「見抜けなかった後悔もある。行政は問題のある施設に厳しく対応し、調査結果も分かりやすく公表してほしい。保育に携わる人は命を預かっている自覚を持って」と訴える。

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