2月4日 オトナになった女子たちへ 伊藤理佐

朝日新聞2018年1月26日29面:白い朝わいて出た 月曜日、東京に雪がふった。と、書くと、おいおい、これいつ書いてんだ? けっこうギリギリじゃ? え? とか言われそうですが「ネタがフレッシュ!」とか「朝日新聞の印刷技術の早業が!」ということで。月曜日、東京に雪がふった。
火曜日の朝、まっ白だった。雪ふると、人が「出てくる」。雪かきするためだ。早朝の道に人がわいている。コレハ、タイヘンデス~って感じで。言い方、わるいけど「虫みたいだなあ」と思う。自分もその一匹なんだけど。息、白い。白いのが長い。で、近所の会ったことない人に遭遇する。レアものは、中高生男子だちだ。彼らはいつも早足で、恥ずかしいがりなお年頃ゆえコソコソしていて、めったにおめにかかれない。見かけても、どこんちの子だかわからない。背がどんどん伸びるから。が、おじいちゃんやお父さんとセットで判明する。おはようございます、が、もう男声。
車道をずっとかいてくれているオジサンが「昔、自衛隊にいてこんなことしょちゅうやっていたんだけど、今キツイ」と、ひとり言みたちに教えてくれた。昔、自衛隊。ご近所さんのはずなのだが、どこの家のオジサマか聞くのもわからないのも失礼だな、うつだけオバサンなのは、うちのオジサンが朝ごはんを作っているからなんですよ・・とか思っていると、むこうの遠くで、ムスメの同級生の家のママもシャベル持ってる。手じゃなくてシャベルを振っている。さすが体育会系。そのお宅に行くシッターさんが、そっと歩いて来る。あっちで登校前の兄弟が雪だるまつくりだす。こっちに雪にダイブしているやつもいる。バカだな~と思ったら、うちの子じゃん! ちゃんとスキーウエア着ている・・・ ふう‥。
なんとかなった9時ごろ、こんな日に、工事のトラック誘導のオジサンが角に立っていた。スコップを片付けながら庭からのぞくと、鼻歌を歌っている。英語だった。意外だった。もしかしていい朝だったかもシレナイデス~と、虫は思った。(漫画家)

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