2月14日 サザエさんをさがして ながら運動

朝日新聞2020年2月8日be3面:日常生活に絡めて楽しんで 社長が、車での通勤をやめた。会社の中でも階段を使っている。健康のためだろう。でも、やり過ぎてしまったようだ。時は、東京五輪の前年、1963(昭和38)年。60年代は、電車やバスなど交通網が発達、自家用車も普及し始め、「運動不足」が話題になってきたころだ。漫画掲載の約2週間前、63年2月12日付の天声人語は、まさにそのテーマを取り上げている。アメリカのロバート・ケネディ司法長官が80㌔のハイク(ウォーキング)に挑戦したことにふれ、「自動車など乗り物の発達で人間は”歩かね動物”になりかかっている」と指摘、「日常的にもっと歩く習慣をつけたらよさそうに思う」と呼びかけた。60年近く経った今、この問題はもっと深刻になっている。運動不足などによる生活習慣病やメタボの人たちは、増え続けている。そんな中、「歩く」ことは、日常生活に取り入れやすい最も身近な運動だ。ほかにも日常生活に問い入れられる運動は多い。こうした運動のことを「ながら運動」と呼び、今広がっている。その普及を長年進める「日常ながら運動推進協会」代表の長野茂さん(70)に解説してもらった。「その人の生活スタイルに合った、ながら運動を選べばいいのです」。例えばサラリーマンでデスクワークが長ければ、いすに浅く座り上体を後ろに倒し背もたれ寸前でキープする。家庭では、洗濯物を干すときに、ひざを曲げ、しゃがみ、洗濯物を取って干すーーといった具合だ。決して無理をしないのがコツ。漫画の社長みたいになっては元も子もない。「現代は、洋式の生活やITが普及し、家事や仕事で極端に体を動かさなくなった。だからこそ、日常生活に運動の機会を見つけることが大事になるのです」と長野さんは指摘する。ながら運動なら無理なくできそうだ。でもモチベーションを高める要素があると、もっといいかも。そんなことを考えていたら、スポーツ用品大手のミズノが、今人気のお笑いコンビ「ミルクボーイ」を講師に招き、企業向けに「ながら運動」の講習をしていると知った。健康経営が叫ばれるなか、「手軽にできる運動を」と、17年から約35社の7千人以上に講習会を開いてきた。1月21日に東京墨田区の日本電枝本社で開かれた講習会にお邪魔した。ミルクボーイの駒場孝さんと内海崇さんが登場すると、割れんばかりの拍手。駒場さんは、ジムのトレーナー経験もある。駒場さんが「上司に怒られながら超高速首振り」「資料をコピーしながらフルスクワット」などユニークな、ながら運動を紹介。いすに座る寸前でお尻をキープするワークでは、駒場さんが突如時間を延長。前で実演した内海さんが「もう、あかん!」を連発。参加者から笑いと悲鳴が起きた。 講師を務め終えた2人は「ながら運動は、トレーニングのハードルがめちゃ下がる」。駒場さんが「トレーナーとして教えるのに勉強になる」と言うと、内海さんが「トレーナーと芸人、どっちがメインなんや」と突っ込んだ。講習会を担当するミズノの渡邊萌さんは「『コピー機の前でスクワット、無理でしょ』みたいに、社員同士で笑って盛り上がるきっかけになれば。まず運動へのモチベーションを高めてもらい、具体的な行動につなげてほしい」。やっぱり何かを続けるには、「楽しさ」や「ワクワク感」が大事なんだなあ。今回の取材で、そう再認識した。(佐藤陽)

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