2月1日 シェアハウス投資トラブル相次ぐ

朝日新聞2018年1月23日3面:会社員ら億単位出資・・家賃支払われず トイレや浴室が共用の「シェアハウス」への投資を巡るトラブルが目立っている。「家賃保証」で誘われた会社員らが銀行から1億円前後を借り、不動産会社に建設や管理を任せたのに、約束通りに家賃が支払われない事態になっている。今後、資金繰りに窮する人が続出しかねない。
問題になっているのは会社が一括で借り上げる「サブリース」と呼ばれる物件。会社員らがお金を借り、不動産会社がシェアハウスを建てて借り上げ、入居者募集や管理を担う。オーナーの会社員らには「家賃保証」があり定額の賃料が長期間入るという触れ込みだ。
ところが最近、賃料が減額されたりゼロにされたりするケースが出てきた。NPO法人運営の「サブリース問題解決センター」によると、最近1カ月で100件超の相談があった。「減額を求められた」「業者を変えたい」など、トラブルは複数社で聞かれるという。国民生活センターにも相談が寄せられている。センターは「お金をもらえなくなる例があることも踏まえて慎重に検討を」と注意を促す。
首都圏で女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」を手がける「スマートデイズ」(東京)は今月20日、オーナー数百人を集めた説明会で、今月から賃料を払えないと通告した。参加者によると、入居率が5割を下回り、資金繰りが厳しくなったとの説明があった。オーナーは1億円前後のローンを抱える人が多い。スマートデイズの菅沢聡社長は「事業再建に向け、オーナーと真摯に向き合って対応したい」と話している。サブリースでは節税目的の地主がアパートオーナーとなり、賃料でトラブルになるケースがあった。シェアハウスは会社員のオーナーが多く、資金繰りがより厳しい懸念がある。(久保智、藤田知也)


9面:家賃保証一転 空屋と借金 「お金がなくても家賃収入が保証され、自分の不動産が手にできる」--。そんな甘いうたい文句に誘われて、多くの会社員らがシェアハウスへの投資に手を出した。銀行の積極融資にも後押しされた。しかし一転、保証されたはずの家賃が払われない事態になり、空き部屋と多額の借金で頭を抱える人が続出している。
所有者「月何十万円も返済できない」 「もう月末の支払いまで時間がないぞ」「普通のサラリーマンは月何十万円も返済できない」。20日、東京都内の貸し会議室。数百棟のシェアハウスをオーナーから借り上げて管理する不動産会社「スマートデイズ」が開いた説明会では、数百人のオーナーから悲痛な声が上がった。
参加者によると、会社側は入居率が4割台と低く、資金繰りも苦しいと釈明。「家賃保証」でオーナーに「約束していた賃料は1月から払えなくなり、2月以降もめどがつかないという。同社は女性専用のシェアハウス「かぼちゃの馬車」を首都圏で展開。キッチンやトイレ、浴室は共用で、部屋は7平方メートル程度。敷金など初期費用がかからないことを売りにしている。
収益が期待できるとして、同社は銀行融資を受けやすい会社員らをオーナーに勧誘。長期間の定額収入を約束した。オーナーに都内などの土地を買ってもらい、同社は木造のシェアハウスの建築を請け負い、一括で借り上げて入居者を募集、管理する。オーナーは賃料収入で借金を返済できるはずだった。
40代で年収700万円の男性会社員は2015年暮れ、投資セミナーで勧められ、都内北東部に1棟を建てた。土地代や建築費など計1億円は年利3.5%で銀行から借りた。しかし、月額賃料60万円を受け取れたのは最初の10カ月だけ。昨秋からは減額され、今月分はゼロ。十数部屋への入居者は今は3人だけだ。銀行への返済は月約45万円で、「今月は自腹で払えるが、来月以降はわからない」と途方に暮れている。
投資の背景 積極融資 会社員が1億円近いお金を借り、シェアハウスへ投資する背景にあるのが、日本銀行の金融緩和による超低金利と銀行融資だ。投資を勧誘一部業者は「元手となるお金がゼロでも大丈夫」と宣伝。すべて借金で賄ったオーナーは少なくない。
銀行側も融資に積極的だ。日銀の統計では、アパートローンなど個人の賃家業(設備資金)向け貸出残高は昨年9月末時点で前年同月比3.6%増の22.5兆円。1年で3.5兆円もの新規融資があった。日本シェアハウス連盟によると、シェアハウスは昨年時点で全国に約4500あり、7割が東京都内に集中する。会社員の不動産投資として広がったようだ。今回約束した賃料が支払えなくなったスマートデイズは、ローン返済が厳しいオーナーに対し、銀行に金利引き下げなどを求めるよう促している。だが銀行が応じるかは不透明だ。オーナーへの融資が目立つ地方銀行は「(会社が一括で借り上げるサブリース契約は)基本的に審査には影響しないし、個々の内容も把握していない」(広報)としている。スマートデイズの菅沢聡社長は22日、朝日新聞の取材に「月内に再建案を示せれようめざしている。早くオーナーが安心できる状況をつくりたい」と話した。(藤田知也、久保智)

朝日新聞ASAの伸光堂西部販売 森林文化協会

ご予約・お問い合わせはお気軽に

Tel0120-740-276

〒352-0011 埼玉県新座市野火止8-14-29

ページトップへ戻る