19日 患者を生きる 依存症 ネット4

朝日新聞2017年2月17日30面:過度な注意 逆効果も 「ネット依存」はゲームやSNSに夢中になるあまり長時間使い続けて、学校に遅刻したり成績が下がったりするなど、生活に支障が出ることをいう。世界保健機関(WHO)が定める疾病分類(ICD)で2018年に改訂される11版には「ゲーム障害」という定義を加える議論が進んでいる。
厚生労働省研究班の調査では、ネットの「病的使用」とされた中高生は約8%で、全国の中高生の数で計算すると約51万人にのぼる。休日に5時間以上使う人は中学生で約14%、高校生では約20%を占める。男性はゲーム、女性はSNSを使う時間が多いという。
ネット依存の専門診療をする大阪市立大学の片山素久講師は「依存の背景には現実の世界で自分の存在が認められないなどの困難があり、ネットに『避難』している場合が多い」と指摘する。連載で紹介した東京都の男性(23)も大学入学を機に上京したが、したいことが見つからず「ネットには自分の居場所があった」と振り返る。片山さんによると、特に中高生の場合、夏休みにネットにはまり、休み明けに通学できなくなるケースが多いという。「学校の友人関係や勉強についていけず、現実逃避の結果、ネットにはまる。思春期特有の問題で、親の過度な注意は逆効果で、親から指摘されると、さらにネットにはまって悪循環に陥りやすい」という。
ネット依存専門外来がある久里浜医療センターの樋口進院長は「まずは本人の気持ちに寄り添うことが大切」と指摘する。子どもたちと信頼関係を築いたうえで、治療に通い続けてもらうことを重視する。センターが独自に開発した治療プログラムは、現実社会でコミュニケーションをはかる訓練をしながら、ネット以外の楽しみを見つけることを目指す。
同センターは3ヵ月に1度、家族のワークショップも開く。本人が受診していない場合でも参加できる。サイト(http://www.kurihama‐med.jp)にスクリーニングテストを公開、全国の治療施設の一覧も掲載されている。
樋口さんはネット依存の予防策として「夕食の時間など、家族でネットを使わない時間を決めましょう。この時間は保護者も使用を控えて」と助言する。(宮島祐美)

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