18日てんでんこ 皇室と震災【16】

朝日新聞2017年6月14日3面:なるべく早くお見舞いに伺いたい。両陛下の被災地への思いは強かった。 2016年4月14日夜と16日未明、最大震度7を観測した熊本地震。現在までに、熊本、大分両県で200人超が亡くなった。
「両陛下は、なるべく早くお見舞いに伺いたいお気持ちがとても強い」。前震から1週間後の21日、熊本県の蒲島郁夫知事(70)が折り返した電話に、宮内庁長官(当時)の風岡典之氏(70)がそう告げた。
「まだ余震が続いているが大丈夫か」「阿蘇は被害が大きい。上空から見て頂くのがいいのでは」-。後日、再び電話でやり取りし、訪問日は5月19日に決まった。 宮内庁関係者によると、両陛下の被災地への思いは強かった。前震の翌日に予定していた静岡訪問を取りやめ、皇居で熊本の状況を見守った。内内に検討していた5月19~22日の静岡での静養も取りやめた。
震災直後の被災地お見舞いは日帰りが基本だ。宿泊すれば宿の確報や警備などで現地に負担をかけてしまうからだ。熊本は遠方なうえ、被害の大きい南阿蘇村や益城町を回るには時間がかかる。移動には自衛隊ヘリを採用し、訪問できない熊本市や西原村は上空から視察することになった。
陸路の移動は専用車ではなくマイクロバスにした。車列を短くして、交通規制や渋滞による復興作業への影響を小さくするためだ。限られた時間でいかに多くの被災地を回るか。最終的にできあがった行程は、午前10時ごろに皇居を出発し、午後9時前に皇居に戻る強行日程になった。
短期間でこうした行程が組めるのは、両陛下が繰り返してきた被災地お見舞いの蓄積があるからだ。県も1999年の国体などで両陛下を迎えた経験のある職員らで専属チームをつくり、対応した。
そして当日、熊本空港で両陛下を迎えた蒲島知事は、皇后さまの腰のあたりについていた「くまモン」のピンバッジに目を見張って。13年に両陛下が熊本県を訪れたとき、知事自身が贈ったものだった。そのとき、両陛下は「くまモン体操」に拍手を送り、皇后さまは「くまモンはお一人なの?」と質問。くまモンが慌てるしぐさをする場面もあった。「熊本に寄り添っていますよ、という気持ちの表れじゃないかと、県民みんなが喜びました」。蒲島知事はそう振り返る。(多田晃子)

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