17日 てんでんこ 南海トラフ【2】

朝日新聞2017年2月15日3面:「これが近い将来の高知県の姿であることは、間違いありません」 高知県黒潮町から1千キロ。カツオ水揚げ量日本一を誇る宮城県気仙沼市は、黒潮町の魚師も主な水揚げ先の一つとして寄港する。 気仙沼の女性と結婚した漁師も多い。震災後、町役場に「気仙沼の親類と連絡が取れない」と相談が相次いだ。安否がわからない町民の親族は4世帯6人いた。
発生6日後の2011年3月17日、消防防災係だった友永公生(45)ら職員2人が気仙沼に入った。市内の避難所を探し回り、全員の無事を確認した。
町長の大西勝也(46)は19日夜、救援物資の食料や水を積んだトラックに乗り込み、30時間かけて駆けつけた。市役所の会議室に寝泊まりし、友永らと沿岸部を見て回った。
建物が津波に奪い去れ、更地のようになった街。がれきの山。浸水していない場所では普段通り洗濯物を干している家もあり、明暗がはっきり。残酷だとおもった。
大西は漁協の会合にも顔を出し、市長の菅原茂(59)が「海がある限り、気仙沼は不滅です」と力を込めるのを聞いた。自分ならどうするか、自らに問いかけた。 21日、気仙沼市の北隣にある岩手県陸前高田市を訪れた。市民体育館の壁には穴が開き、2階席までがれきが折り重なっている。がれきの中に「避難場所 市民体育館」と記された看板があった。
「津波というのは、ここまでのものが来るんか。どう備えれば」。そろって頭を抱えた。友永が当時、町役場に送った活動報告のメールには写真つきでこう記されている。「これが近い将来の高知県の姿であることは、、間違いありません」
震災直後から各地の自治体が津波防災を強化した。黒潮町は12年4月1日付で、総務課の消防防災係を情報防災課に昇格させた。課内の南海地震対策係長には、国土交通省から交流人事で来た職員を据え、国との連携も強めようとした。南海トラフの34メートルの津波想定が公表される前から準備していたが、公表後、町に漂ったのはあきらめだった。
高層ビルみたいな津波には何をしても無駄ー。行政が避難施設を作っても、住民が逃げなければ意味がない。(佐藤達弥)

朝日新聞ASAの伸光堂西部販売 森林文化協会

ご予約・お問い合わせはお気軽に

Tel0120-740-276

〒352-0011 埼玉県新座市野火止8-14-29

ページトップへ戻る