16日 「共謀罪」法 成立

朝日新聞2017年6月16日1面:刑事司法の大転換 犯罪を計画段階から処罰する「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ改正組織的犯罪処罰法が15日、参院本会議で成立した。犯罪を実行に移した段階から処罰する、日本の刑事法の原則が大きく転換されることになる。 与党や日本維新の会などの賛成多数で参院本会議で可決した。共謀罪法は計画という実行の前段階で罪に問うため、密告や自白偏重が進み、日常的に盗聴や尾行など捜査当局の監視が強まると懸念の声が上がっている。処罰されるのは、組織的犯罪集団の活動として対象となる犯罪を2人以上で計画すること。さらに資金・物品の手配や場所の下見などの「準備行為」が犯罪成立に必要とされる。
しかし、国会審議で多くの疑問点や対立点が解消されることはなかった。立法の目的について、政府は法案を「テロ等準備罪」と呼び、東京五輪・パラリンピックの「テロ対策」を前面に出して「国際組織犯罪防止条約の締結に不可欠」と説明。野党は「条約はテロとは無関係」と反論した。
現行法でも重大犯罪には予備罪などがあり、「必要に応じて捕まえれば条約締結は可能」と主張したが受け入れられなかった。
犯罪成立の要件とする「準備行為」をめぐっても、日常行為と準備行為の境界はあいまいで、結局心の内を調べなければわからず、「内心の自由」を侵しかねない危うさが浮かんだ。「一般人が処罰の対象になるのか」という野党の疑問に、政府は「『組織的犯罪集団』に限られ、一般人は対象外」と主張。しかし、説明は二転三転した。277に上る犯罪数について、自民党でかつて共謀罪法案の作成に関わった弁護士が参考人質疑で、「対象犯罪は減らせる」と訴えた。政治家や官僚が関わる犯罪が除外されており、野党は「対象犯罪の選び方が恣意的」と批判した。(編集委員・豊秀一)

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