14日 問う「共謀罪」

朝日新聞2017年6月9日30面:教育評論家 尾木直樹さん(70)おぎ・なおき 東京都内の私立高や公立中で22年間教壇に立ち、法政大教授(臨床教育学)を経て、現在は同大特任教授。著書に「取り残される日本の教育」など。
時間切れの多数決やっちゃいけない こんな議論を国会で続けていたら、超まずいですよ。 国会審議を見ていても、与野党の主張が平行線のまま。これじゃ、国民の理解は深まりません。わたしもその一人です。五輪を無事に開催するにはテロ対策は重要。だからテロ防止に有効な国際条約に加盟するため、法整備が必要なんだー。与党の説明はここまで、とってもわかりやすかったわ。 ところが、条約に加わる指針をつくった米教授本人が「条約の目的はテロ対策ではない」と明言する報道で、混乱したの。野党が国会でこの点を突いても、与党は同じ説明を繰り返すだけ。正しい選択との確信があるなら、「それでも我が国には、こんなメリットがある」などと反論してほしかった。
十人十色と言う言葉があるように、誰かと意見が異なるのは当たり前。大事なのは、自分と異なる意見にも耳を傾け、相手の立場になって受け止めること。それから、共通する大きな目的を達成するため、話し合うことです。
生徒指導に長く関わった経験から言うと、ここで一番やっちゃいけないのは、時間切れの末の多数決なの。結論への納得感がないと、必ずトラブルが起きましたから。 異論を戦わせて、両者が一番納得できる考えや、新らたに生まれた第三の道が見いだせないうちは、継続審議すべきです。国民的理解が得られないうちは慌てないのが、、民主主義の原則ではないでしょうか。
国会でのやりとりを見ていると大人として恥ずかしくて、子どもたちに謝りたい気分です。昨年18歳選挙権が導入され、本格化した主権者教育への影響も心配。子どもたちが興味を持って足を運ばうとしている集会の主催団体が、実は捜査の対象になっているかもしれないとわかったら、その時点で教師としては止めざるを得ません。
軽々に動いちゃだめよ、と言い続ければ、子どもたちの政治への関心にどんどんブレーキをかけることにもなる。 学校は民主主義のトレーニング場と言われます。「共謀罪」をめぐる議論って、本当はとってもいい学習素材になるはずなんだけど。

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