13日 人生の贈りもの 和田アキ子【10】

朝日新聞2017年6月9日27面:「好きやねん」御法度だけど告白 デビュー曲「星空の孤独」(1968年)が不発で、肩身が狭かった私。「こんな体のでかい女、売れないね」と担当マネジャーもぼろくそです。2曲目の「どしゃぶりの雨の中で」(69年)も「この曲で終わりだなあ」とある人から言われたそうです。  ≪担当マネジャーとは小林甫さん。「和田アキ子は絶対に売れる」との信念を持って粉骨砕骨、マネジメントに徹した人だ。
テレビ局での売り込み。「お願いします!」と深々頭を下げる姿を和田さんは何度も目撃した≫ 私はまだ新人。旅先は駅前の安ホテルです。「おなか、すいたろ」と小林さんがおでん屋を見つけてくれました。「頑張れよ、負けんなよ。お前はこれから大きくなるんだから」と温かいおでんをつつきながら励ましてくれる。飾り気のない小林さんのひと言ひと言が胸にしみました。
思いを寄せるようになったのはデビューして半年ほど過ぎたころかなあ。タレントとマネジャーとの恋愛は御法度の業界ですが、やがて思い切って打ち明けました。「うち、好きやねん…」 ≪76年に結婚する。夢にまで見た家庭生活。だが小林さんは別の部署に異動となり、2人の生活の時間帯が違ってくる。仕事が早く終った日は、食事の支度をして家で待っていたが、小林さんが帰ってくるのは深夜未明か早朝。微妙な生活のずれが、だんだんと大きくなっていった≫  もうあかん。そう思い、社長(堀威夫・現ファウンダー最高顧問)に相談しました。すると「よし、わかった」。仕事先にいる小林さんに電話をし、すぐに離婚記者会見を開くことになったんです。  その日だったかな、彼が帰ってこない部屋の中で荷物整理をしました。積み上がっていく段ボールを見ていると、涙があふれてあふれて…。やがて彼はプロダクション設立のためホリプロから独立しました。私の営業の仕事をするようになったのです。夫婦としての相性は悪かったけど、仕事ではうまくいく。不思議な関係ですね。(聞き手 編集委員・小泉信一)

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