12月9日 パラダイス文書

朝日新聞2017年12月2日10面:第1部影の案内人⑦ 「ギフト」役人に特別配慮 2015年11月7日、英領ケイマン諸島。冬の日中の平均気温が25度の南国でも、クリスマスの準備が始まっていた。法律事務所「アップルビー」の現地事務所で、「クリスマスギフト」と題したリストが作成された。所属弁護士ら12人がそれぞれが、プレゼントを贈る相手を一覧にしたものだ。パラダイス文書で流出したリストに記されていた贈り先は1629人分。顧客だけではなく、大手銀行や会計事務所、ライバルの法律事務所など幅広い。
さらにケイマンの副首相や大臣、金融当局幹部、裁判官ら数十人の名もある。そうそうたる面々だ。別の年の社内メールには、こんな記述もあった。「特に土地登記担当と貿易ビジネス担当の役人は、ギフトの内容によって翌年にうちの事務所が受けられるサービスに差が出ます。気をつけましょう」
各国の政界とのつながりは、贈り物だけではない。英王室属領ジャージー島の金融庁。09年の理事の一人は、アップルビーで20年以上も働いた女性だった。ケイマンの裁判所で金融を担当する男性裁判官の一人も、アップルビー出身。しかも社に在籍中、島の法改正委員まで務めていた。
さらにアップルビーの元CEOの男性はいま、英領バミューダ諸島の上院議員に転身している。アップルビーの、政界への太い人脈がうかがえる。アップルビーが拠点を構える世界各国のタックスヘイブン(租税回避地)は資金洗浄や脱税、粉飾の舞台になることがある。このため政府や金融当局は本来、アップルビーを監視する立場にある。実際、15年10月にはバミューダ当局から、法令違反で罰金が科せられた記録があった。同社は処分を受け入れ、支払いに50万ドル(6100万円)を用意した。しかし、その直後、アップルビーの幹部はこんな報告をまとめている。「この件で外部からの批判はなかった。バミューダ金融当局はこの件を秘密にすると約束してくれた」こうした蜜月関係も、パラダイス文書で初めて明るみに出た。

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