12月4日 車の買い手、企業が5割超

日本経済新聞2019年12月1日2面:カーシェア台頭、2030年に 開発・税制・・新たな仕組み模索 シェアリングの浸透が車を取り巻く環境を変えている。配車サービスなどに使う車両が増え、2030年には新車の買い手で法人が個人を上回る可能性が出てきた。車が所有するものから共有するものへと変わる。トヨタ自動車はシェア利用を前提とした次世代車の開発を始め、国もシェア利用に適した課税策を模索し始めた。公益財団法人の交通エコロジー・モビリティ財団によると日本のカーシェアリング車両は2019年に約3万5千台と14年比で3倍弱に増えた。最大手のパーク24の所有車両は19年10月時点で2万7千台だ。同社は4年程度で車両を入れ替えているといい保有車両数は年に3千~4千台のぺーすで増加している。このようなシェアリングの増加が車の市場を変える。pwcコンサルティング(東京・千代田)がまとめた予測では、30年には世界で売れる新車の52%が主に法人が所有す「商用車」となり、個人が持つ「乗用車」を初めて抜く。企業の配車やカーシェアリング用の車が増え、個人が車を買わなくなる。企業の保有する車はトラックやバスが9割超を占めてきたが30年にはシェアリング関連が市場全体の24%まで増える。18年は1%だった。「シェアの拡大は車そのものを変える」と話すのは商用車に詳しいpwcの早瀬慶氏だ。車種や車体の色などより、修理の部品を即日で用意できるなど「購入後まで含めたライフサイクルコスト」(早瀬氏)が重視させる。車自体も1年に自家用車の5~10倍の距離を走り、高い耐久性が求められるようになる。車開発の形も変わりそうだ。ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)の古宮聡氏は「法人がまとめて管理するシェア車両は次世代技術を導入しやすい」と指摘する。米ウーバーテクノロジーズなど配車大手は資金力がある。最適な協業相手として存在感を強める。スウェーデンのボルボ・カーは6月に米ウーバーと共同開発した車両を公開した。ウーバーの自動運転システムを組み込んだ専用車で、17年にウーバーが最大2万4000台を購入する契約を結び開発が実現。自動車大手の米法人販売の1カ月分に相当する台数で、「これまで専用設計ができるほどの購買力を持つ顧客はほぼいなかった」(古宮氏)という。トヨタ自動車は米ウーバーと共に、21年を目指して車の相乗りサービス専用車の開発を進める。提携の枠組みにはソフトバンクグループやデンソーも参加。車載カメラやセンサーなどの部品なで含めて量産を急ぐ。自動車運転に対応したシェア車両は半導体など高額な部品を使い、現状は「1台で数千万円くらいする」(関係者)。量産性を重視して車の価格を下げ、技術や車両の外販にも道を切り開く狙いだ。乗用車の減少は国の税収にも波及する。BCGは車をシェアする人が増える影響で、21年には新車の世界販売は1%減ると予測する。国内では年5万台に相当し、車両にかかる税金だけで年10億円以上が失われる可能性がある。国は18年から重さや排気量でなく、走行距離に応じた課税ができないか検討を始めた。米国では00年代から州単位で走行距離による課税の議論が本格化してきた。電動車の普及や車の燃費改善で道路財源となるガソリン税が減っているからだ。オレゴン州では15年に微税の実証実験を実施。車の位置を検知する機器を付け、1㍄あたり1.5㌣の道路利用税を払う代わりにガソリン税を還付する。同州は26年に全ての新車にこの制度を適応させる目標を掲げる。16年にはカリフォルニア州も給油所で走行距離に応じた課金ができないか検討を始めた。ただシェア車両や稼働の状況の管理は難しく、日本でも自動車業界を含めた議論が必要になっている。(山本夏樹)

 

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