12月30日 パラダイス文書

朝日新聞2017年12月25日6面:1%が操る「自国第一」 パラダイス文書で暴かれた、国境をまたぐ税逃れ。経済協力開発機構(OECD)などが対策を進めるがなかなか実を結んでいない。国際金融の中心地である英国と米国ではいま、正反対の「自国第一」主義が政治をリードする。昨年6月の国民投票で、欧州連合(EU)からの離脱を決めた英国。離脱派は「低賃金で働くEU移民に仕事を奪われている」「EUへの巨額の拠出金を、財政難にあえぐ国民保健サービス(NHS)に充てられる」などと主張していた。
「主権を取り戻せ」との訴えは、雇用を求める低所得層を熱狂させた。一方でその訴えは、EUによる細やかな規制を嫌い、より自由な経済を信奉する富裕層の主張とも重なっていた。実際、メイ首相は今年1月の演説で、「競争的な税率を定める自由を持てる」ことを離脱の利点だと述べている。
パラダイス文書では、そうした離脱派キャンペーンの支援者らと、タックスヘイブン(租税回避地)とのつながりも明るみに出た。英紙ガーディアンによると、与党・保守党の大口献金者である上院議員は、ジャージー島に開いた二つの信託に不動産などを保有。強硬離脱派で知られる元保守党首を支援していた。離脱を支持した英紙テレグラフのオーナーの双子も、バミューダ諸島との関係が明らかになった。ともに英王室の属領や英国の海外領。税逃れや資産隠しの舞台と指摘された場所だ。国際NGO「オックスファム」は、富裕層の政治への影響力を懸念。1月の所得格差の報告書で、「政府は少数の富裕層や彼らのロビイストでなく、すべての人の声に耳を傾けなければならない」と求めた。
パラダイス文書は、昨年の米大統領選挙時に巨額の献金をした富裕層らが、共和、民主いずれの党でもタックスヘイブンとつながっていた実情も暴いた。主な献金者のうち、文書に名前が出た5人だけで、献金額は計1.8億ドル(204億円)に上る。パラダイス文書が報道された直後、バーニー・サンダース米上院議員が声を上げた。昨年の大統領選の予備選で「格差是正」を訴えて支持を集めた老政治家は、税逃れが世界から無くならない理由を指弾した。
「上位1%の富裕層が自らの利益のため、他の人の犠牲のもとに課税システムを都合よく変えている」=第3部終わり
(疋田多揚、軽部理人、寺西和男、野上英文が担当しました)

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