12日 北ミサイル情報 Jアラート作動時

東京新聞2017年5月9日夕刊1面:主要鉄道9割「運行を停止」 北朝鮮が弾道ミサイルを発射し、飛来の恐れがあるとして、全国瞬時警報システム(Jアラート)の発射情報が鳴るなどした場合、運行を見合わせると定めているのは、大都市を中心に走る主要鉄道事業者31の約9割に当たる17事業者(条件付きを含む)に上ることが、共同通信の取材で分かった。うち9事業者は、飛来する地域が分からなくても発射情報だけで全線停止する。
北朝鮮情勢の緊迫化が背景にあり、4月に対応を強化した事業者も多い。発射や飛来の情報だけで公共交通機関が止まり、都市機能が一時まひする恐れがある。警報が鳴る事態になれば市民生活への影響は避けられない。
取材対象は①JR旅客6社 ②日本民営鉄道協会(民鉄協)加盟社のうち大手16社 ③公営地下鉄を運営する9自治体ーの計31事業者。
停止する27事業者は、JアラートやEm-net(エムネット)のほか、携帯電話の緊急速報メールの情報を基準とする。発射情報だけで止める9事業者は東京急行電鉄や西日本鉄道(福岡)など。
運行地域への飛来情報がある場合に停止するのが、西武鉄道(埼玉)や阪急電鉄(大阪)など13事業者。東武鉄道(東京)、JR東海など5事業者は状況判断の上で止めると回答。路線網が広いJR東日本や西日本は地域に応じて判断する。
大阪市交通局は第一報では継続、続報で避難の呼び掛けなどがあれば見合わせ、化学兵器の使用に備えて換気扇も止める。札幌市交通局はJアラートを直接受信せず、職員の業務用携帯電話で受信する緊急速報メールを使う。
複数が判断材料の一つに報道を挙げたが、「報道があれば止める」とした事業者はなかった。東京メトロは4月中旬、報道も含め発射情報があれば停止すると決め、4月29日の発射時は約10分間、全線で運航停止した。同社はその後、他の鉄道事業者の運用とのバランスや社会的影響を考慮し、Jアラートを基準にするよう見直した。
仙台市交通局、京都市交通局、南海電気鉄道(大阪)は「検討中」、JR北海道は「対応マニュアルはない」とした。国土交通省によると、大手鉄道会社は国民保護法に基づき、武力攻撃時の旅客誘導といった業務計画を定めることになっているが、具体的な運行基準に決まりはない。
「安全のためなら」「空調停止不安」 北朝鮮が弾道ミサイルを発射し、Jアラートなどが鳴った場合、主要鉄道業者の約9割が一時運行を見合わせるとした。これに対し、過剰とも捉えられかねない対応として、利用客からは「帰れなくなると困る」などと戸惑う声が聞かれた一方、「安全のためなら仕方ない」との見方もあった。
大阪市営地下鉄は飛来情報があった場合、全線で運航を停止する。化学兵器に対応するため駅の換気扇を止めることも決まっており堺市南区の女性会社員(36)は「空気が悪くなり、体調を崩す人が出るかもしれない」と不安がった。一方、JR東日本は、状況判断の上で停止すると決めており、東京都内の男性(80)は「多少の不自由があっても従う」と理解を示す。

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