11月6日 「みそぎ」済んでいない

東京新聞2017年11月1日24面:疑惑説明 果たさず再選 1日から特別国会が始まる。安倍首相は衆院選後、「謙虚な姿勢」を強調した。だが、自民党は野党の質問時間削減を検討するなど逆行する動きを見せている。政府・与党には森友、加計両学園疑惑のみならず、独立行政法人・都市再生機構(UR)との補償交渉疑惑やヤミ献金疑惑などもあった。いずれも国会で十分に説明されていない。選挙で「みそぎは済んだ」と思っているとすれば、大間違いだ。
疑惑の説明を果たさないまま、今回の衆院選で再選された二人のベテラン議員の選挙区を訪ねた。一人は今年6月、「加計学園からヤキ献金200万円」などの疑惑が報道されながら、今回の選挙で8選を果たした下村博文元文科相(東京11区)だ。報道直後の会見では加計学園の秘書室長が11の個人・団体から集めた政治資金パーティー券購入代金を下村氏側に届けただけで、政治資金収支報告書に記載する必要もなく、政治資金規制法上の「あっせん」にも当たらないと反論した。
東京・板橋の大山商店街にある自元事務所は「国会議員会館の事務所へ」。議員会館の事務所に「改めて説明する気はないか」などと質問状を送ったが「担当者がおらず、回答するか否かも含めて分からない」(事務所職員)と話した。大山商店街で買い物の途中だった石川福代さん(77)は「今度の選挙では本人から電話がかかってきた。危ないと思ったんじゃないの」と語る。「ここは庶民の街。どれだけみんあが苦労して税金を納めているのか、疑惑があってもなああ、うやむやで済む政治家には分からないんだろう」
下村氏の後援会に入っているという酒店の女性(72)は声を潜めながら「以前にも政治資金の領収書疑惑があったし、お金のことだけはしっかりやってほしい」と苦言を呈した。
もう一人は、建設会社と都市再生機構(UR)の補償交渉をめぐる口利き疑惑で昨年1月、経済再生担当相を辞任した甘利明氏(神奈川13区)だ。全国を応援に駆け回った前回までと違い、今回の選挙では地元で支援者回りや街頭演説を重ねた。結果は2位にダブルスコアの差をつけ、12選を果たした。
甘利氏は大臣辞任の際、弁護士に調査を依頼したと公表し、睡眠障害を理由に長期休養に入った。復帰後の同年9月に開いた会見はわずか10分強。「(自身や元秘書を不起訴とした)東京地検の結論と異なる事実はなかった」と述べるのみで、調査に当たった弁護士の名前も明かさなかった。
神奈川県大和市の地元事務所を訪れると、職員が「(本人は)今日こちらには来ない」と言う。東京の事務所にあらためて説明するつもりはなのかと尋ねると「捜査結果が全て」と文章で回答があった。問題は今、地元でどう受け止められているのか。
小田急大和駅前にいた同市のタクシー運転手の男性(69)は、「発覚当初は『がっかりだ』『終わりだ』と言われていたが、今は話題にも上らない。お父さん(故・甘利正衆院議員)の代から地元の代表だから、活躍してほしい」と話す。選挙戦を手伝った地元の保守系市議は「政治家として述べるなら、選挙結果を見れば、完全にみそぎを果たせた。有権者の立場で言えば、野党から追及されても表に出て説明しようとしなかったことは反省すべきだ」と注文を付けた。

朝日新聞ASAの伸光堂西部販売 森林文化協会

ご予約・お問い合わせはお気軽に

Tel0120-740-276

〒352-0011 埼玉県新座市野火止8-14-29

ページトップへ戻る