11月22日 税を追う 兵器輸入手数料 減免受けず

東京新聞2019年11月16日1面:制度利用なら年10億円超コスト減 米政府を通じて戦闘機やミサイルを購入する「対外有償軍事援助」(FMS)で、日本政府が協定を結べば得られる手数料の減免措置を取っていないことが、会計検査院の調べで分かった。FMSを使っている諸外国の多くは減免を受けている。近年、日本ではFMSによる兵器や武器の興んぃゆうが急増しており、他国並みに減免できれば年間で10億円以上のコスト低減につながる。防衛省は検査院の指摘を受け、減免に向けた検討を始めた。(中沢誠) 防衛省 米と協定検討先送り 防衛省によると、FMSで兵器を購入する場合、品質保証や契約管理の手数料として、本体価格の1.2%が加算される。米国と協定を結べば手数料が減額される。検査院の指摘を受けて防衛省が確認したところ、減免を受けていたのは韓国やカナダなど18カ国に上る。1.2%のうち0.5%分の減免が主流で、フランスは手数料全額が免除されていた。日本のFMSの調達額は2018年度で4078億円になる。このうち減免対象となる兵器の購入額は3314億円。仮に日本が他国並みに0.5%分の減免を受けた場合、16億円低減できる。手数料全額が免除となれば減額は39億円にもなる。検査院は「FMS調達の増加に伴い手数料も増えており、減免によって低減する余地がないか検討すべきだ」と指摘する。防衛省の説明では、3年前に米国から減免制度の紹介を受けたが、「米政府の審査に2.3年かかると聞き、すぐに減免を受けるのは難しいことから議論が進まなかった」とし、これまで省内で検討してこなかったという。防衛装備庁の風間政・調達企画課長は「減免を受けるとなれば、日本が米国に装備品を売るとき、同様に品質保証などの業務を担うことになり、日本側の業務量が大きくなる懸念があった。FMSの調達額が高水準になっているので、減免制度も価格低減の方策として検討したい」と話している。 *対外有償軍事援助(FMS)米国政府が同盟国に軍事援助の一環で兵器を売る制度。支払いは前払いで、納入後に米側が清算する。購入国は高性能の兵器を取得できる半面、価格は米側の見積もりに基づくため「米国の言い値」との批判がある。農機の米側の事情で変わるなど、米国に有利な内容となっている。日本は1956年から購入している。 同日28面:調達急増 膨れる兵器未納 第2次世界大戦以降、米国政府の「対外有償軍事援助」(FMS)に基づき高額兵器の輸入を拡大してきた日本政府。FMSはこれまで価格高騰の不透明さや納期の遅れが指摘され、そのたびに米国に改善を求めているが、抜本的な解決にはほどと遠い状況だ。国会の要請を受け、会計検査院が10月に公表した報告はあらためてFMSの課題を突き付けた。検査院の報告によると、米政府と契約を結んで購入代金を支払ったにもかかわらず、納期を過ぎても兵器や部品が納入されない未納入は17年度末時点で85件、349億円分あった。未納入額は前年度の倍近くにまで膨れ上がっていた。中には部隊の運用に支障を来す恐れがあるケースもある。航空自衛隊では、F2戦闘機に搭載する通信機器が9年たっても納入されず、定期整備中の期待から流用していた。検査院は「放っておくとわが国の安全保障に影響を及ぼしかねない」と問題視する。FMSの未納入問題は、検査院が「FMSの一丁目一番地」というほど長年の懸案だ。検査院は1998年から2度にわたり、防衛省に警鐘を鳴らし、97年度末時点で461億円あった未納入額はいったん減少。近年は20億円前後で推移していた。再び未納入が増えた背景には、日本のFMS調達の急増がある。第2次安倍政権発足前の2011年度には589億円だった調達額は、19年度契約ベースで7013億円と12倍に伸びた。それに伴い「兵器ローン」残高も誇張、19年度には5兆3613億円と、政権発足後の約2兆円も増えている。防衛省は今後、F35戦闘機105機や地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の導入を決めており、さらに調達額は膨らむ。担当者は「調達が増え、米側の清算作業も増えている。今まで以上に米国の状況を把握し、納期に遅れないよう米側に働き掛けたい」と説明する。防衛省では16年、FMSの課題を話し合う日米のトップ級会議を設置。昨年末には新しい「防衛計画の大網(防衛大網)」や「中期防衛力整備計画(中期防)」に初めて、FMS取引の改善を盛り込んだ。検査院の担当者は「防衛省が組織の上まで問題意識を持って改善に取り組み始めたのは、この2.3年。改善は、まだ道半ばだ」とみている。

 

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