11月21日 サザエさんをさがして 赤字国債発行

朝日新聞2019年11月16日be3面:「世界一の借金大国」に こたつにあたりながら主婦が手にするのは、日本政府の「借金証文」である国債。今や国の借金はGDP(国内総生産)の2倍になり、世界一の借金大国になっているが、原点はこの漫画が掲載された時期にある。1966年1月、戦後初の国債が発行されたのだ。64年の東京五輪後、日本は不況に沈んだ。株かは低迷、田中角栄蔵相の鶴の一声で、4大証券の一角だった山一証券に無期限・無制限の日銀特別融資が決まったのは65年5月。「オリンピック不況」「証券不況」と呼ばれた。景気後退で税収が減るのは確実だ。不足分は借金で賄おう。つまりは国債の発行だが、乗り越えなければならない高い壁があった。わずか20年前。太平洋戦争に敗れ、残されたのは戦費調達のために発行された膨大な国債だった。そこに猛烈なインフレが襲う。敗戦から4年で物価は75倍になり、国債はほぼ紙くずになった。この反省から、47年制定の財政法は国債の発行を原則として禁じ、64年度まで歳入の範囲内で歳出を賄う財政均衡主義を貫いてきた。戦後初の国債発行は、財政均衡主義との決別を意味していた。65年7月に閣議決定し半年後に発行されるまで、朝日新聞が関連記事は大小200本以上。「国債インフレを招かぬよう」と注文をつける識者も多かった。だが発行されると任期は上々。利回りは6.795%で1年ものの定期預金5.5%を上回る。1月発行分700億円のうち個人向けの1割は1週間で売り切れた。額面は10万円から。国税庁によれば、65年の民間サラリーマンの平均年収は50万7千円。窓越しにサザエに呼びかけた女性はかなりのお金持ちなのだろう。翌66年度から社会資本整備を名目に建設国債が発行され、今に続く借金大国への道が始まる。国債膨張の歯止めは、10年ごとに緩んだ。石油危機の不況対策で75年度から赤字国債が発行された。当初は満期を迎えれば償還したが、85年度発行分から赤字国債にも建設国債と同じ60年償還ルールが適用された。これだと毎年、残高の60分の1、1.6%を返済していけばいいだけだ。日米欧の財政に詳しい代田純・駒沢大学教授は「資金に見合うモノが出来る建設国債ですら60年償還は長いのに、単年度赤字を補う赤字国債まで60年かけて返せばいいなら、財政規律はないも同然。子孫に借金を先送りする構図ができあがった」と話す。「家計資産に占める債権の割合が米国は6~7%。日本は1%。国民が国債の問題を自分ごとととらえにくい」 90年代末から日銀はゼロ金利や量的・質的緩和、マイナス金利などを次々に繰り出した。歴史に類を見ない低金利は利払い費を抑え、国債発行のタガはさらに緩んだ。2014年から日銀は年間80兆円を目標にした大量の国債買い入れを始め、日銀が保有する国債はGDPに匹敵する485兆円に膨らみ、発行残高の半分に迫る。日本総研の河村小百合・主席研究員は話す。「日銀の国債買い入れは、事実上、財政法で禁じられている『中央銀行による国債引き受け」だ。超低金利が続いて弊害が表面化しにくいが、決して持続可能ではない。円安の急激な進行などで少し金利を上げざるを得なくなるだけで、日銀が債務超過に陥り、金融政策が制御不能になる恐れがある」(畑川剛毅) *紙面にはサザエさんの4コマ漫画が掲載されています。

 

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