10月19日 札幌開催IOC「決めた」

朝日新聞2019年10月18日3面:東京五輪マラソン・競歩で会長 東京五輪のマラソンと競歩を札幌で開催する案について、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長は17日、「移すことに決めた」という言葉を使った。東京都では不満の声が上がるが、「アスリートファースト」の号令のもと、札幌開催への流れは止まりそうにない。 森氏、容認の姿勢 日本時間17日午後、カタール・ドーハ。IOCのバッハ会長は、各国のオリンピック委員会の代表者らを集めた会議で宣言した。「どうやってアスリートファーストの精神を体現するか。我々は、昨日その一つを証明した。東京五輪でのマラソンと競歩を札幌に移すことを決めた」 前日、IOCは「札幌に移す計画がある」と発表していた。バッハ会長の「決定事項」とも読み取れる踏み込んだ発言に対し、約1時間半後に取材に応じたのが大会組織委員会の森喜朗会長だ。「IOCと国際陸上競技連盟が賛成したのを組織委が『ダメです』と言えるのか」と容認する姿勢を見せた。大会組織委の中でも、ドーハのレース後、東京でのレースに危機感を募らせる声は上がっていた。「IOCの判断に、不快感をもちようはない。組織委として受け止めないといけない」と森会長はつぶやいた。今回の札幌開催案は、IOC主導で動き出した。6日まで高温多湿のドーハで行われた陸上の世界選手権で、マラソンと競歩を夜中に行ったにもかかわらず、棄権者が続出した。大会直後から、IOC内では東京五輪の両種目について討議が始まったという。森会長によると、IOCから一方が入ったのは先週末。15日には、東京大会の準備状況を確認するIOCの責任者、ジョン・コーツ調整委員長から「今日中にコース変更を決断してくれ」との連絡が入った。森会長は各署と調整するため、「少し待ってほしい」と頼んだが、IOCは16日に「札幌案」を発表した。30日から東京都内で始まるIOC調整委員会で、大会組織委や東京都とIOCが集うが、IOC側に再考の余地は感じられない。(遠田寛生) 東京「ここまで準備して・・」 大会本番に向け、都は暑さ対策を課題の一つに位置づけてきた。マラソンではコースの路面温度の上昇を抑える特殊な舗装を実施。開会までに都道約13㌔分を整備する計画で、2017年は約15億円かかる見込みだ。国も国道5.6㌔分を14億円かけて整備予定で、国土交通省によると、コース全体の7割(7月末時点)が終わっているという。都は沿道の木陰が増えるよう剪定も工夫。休憩所の設地やうちわの配布に加え、周辺の店舗に冷房が利いた空間を開放してもらうことも検討していた。都幹部は「ここまで準備を進めてきたのに・・。かかった費用を返してと言いたいくらだ」とこぼす。一方、北海道と札幌市、道警の担当者らは17日、早速、市内で実務者連絡会議を開いた。終了後に取材に応じた同庁と市役所の幹部によると、開催に伴う市民生活の影響について検討していくとこを確認したという。会議に先立ち、札幌市の秋元克広市長は取材に「驚くと同時に光栄だと思っている。成功に向けて最大限協力したい」と話した。市は30年の冬季五輪誘致を目指しており、「大会運営能力、もてないの面で、ふさわしい町だと世界に認識していただくことが、30年への道につながるのではないか」と意気込みを語った。(芳垣文子、丸山ひかり)
コース設定は? 販売済みチケットは? 東京・晴海の大会組織委では、17日午前10時に幹部級の職員を集めた経営会議が開かれた。武藤敏郎・事務総長は「各部署で、札幌開催についての課題を早急に洗い出して欲しい」と呼びかけたという。最大の問題は、コース設定が間に合うかだ。IOCが発着点として提示してきたのは、札幌ドームだ。東京五輪ではサッカー会場となっているため、開場装飾などが使えるなどのメリットがある。札幌市では、毎年8月に北海道マラソンが行われているが、市中心部の大通公園が発着点となっている。そのままコースを使う方が効率は良いが、座席があるチケットを販売するのは難しくなる。北海道陸上競技協会の橋本秀樹専務理事は「札幌ドーム発着の新設コースとなると、積雪の影響で計画などが来年にならないとできない」。そうなると、リハーサル大会をせずに、五輪を迎える可能性も出てくる。「気温と湿度は確かにアスリートファーストになるが、そのほかはどうか」と不安を口にした。沿道の警備も、北海道警が主体となって一からの練り直しを迫られる可能性が高い。ボランティアも集めなくてはいけない。9月東京で開かれたマラソングランドチャンピオンシップでは、約2300人のボランティアが参加した。このほか、宿泊施設の確保、すでに販売した新国立競技場のチケットの取り扱いなど、課題は山積みだ。当然、費用もかさむ。北海道や札幌市は、大会運営に必要な仮説の建物にかかる費用は大会組織委に負担を求めていくつもりだ。大会組織委の森会長は「IOCに持ってほしい。そいうことだって言わないといけない」と述べた。(前田大輔、堀川貴弘) 小池知事「北方領土でやったら」 東京都の小池百合子知事は17日午前、都内であった連合東京の定期大会のあいさつで「東京は一番最後に知らされたんじゃないか。まさに青天のへきれきだ」と語った。「涼しいところでといのなら、『北方領土でやったらどうか』とも発言した。小池氏は17日夕、取材に対し「突然の札幌、北の方だからということだったので、一案として申し上げた」と述べた。

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