10月15日 交通・物流 影響長期化か

朝日新聞2019年10月14日3面:北陸新幹線3割の車両被害 東日本に大きな被害をもとらした台風19号は、交通や生活インフラ、企業活動にも爪痕を残した。影響は長期間にわたる恐れも出てきた。東京と金沢を結ぶ北陸新幹線は、千曲川の氾濫で車両の保守点検を担う長野新幹線車両センター(長野市)に止めていた「E7系」と「W7系」の計10編成が水につかった。JR東日本によると、被災した車両は北陸新幹線全体の3分の1に上る。近くの線路も一部が冠水したほか、工場のメンテナンス機器も水につかったとみられ、当面は東京ー長野で繰り返し運転を余儀なくされる。JRの在来線や私鉄でも被害が相次いだ。山梨県を走るJR中央線や栃木県内の両毛線、水郡線の茨城県内の区間で線路に土砂が流れ込んだり、鉄橋の橋桁が出流されたりする被害が出た。箱根観光の足と知られる神奈川県箱根町の箱根登山鉄道は、崩落してきた土砂に線路が押し流され、陸橋の橋脚も流された。復旧に数カ月かかるとの見方もある。小田急電鉄は神奈川県内で線路近くの川の護岸が流失、路盤がえぐられたり電柱が傾いたりしたため、一部区間で運転見合わせが続く。空の便にも影響は及んだ。9月の台風の15号の際に成田空港で多数の利用者が足止めされたことを受け、羽田、成田両空港で13日未明まで着陸制限を実施。日本航空と全日空の13日欠航は計700便以上に上った。 コンビニ休業、配達遅れも 台風19号の上陸は、企業活動にも影響を及ぼした。小売りや外食チェーンでは、浸水した一部店舗の休業が長びくおそれがある。セブン&アイ・ホールディングスによると、12日に一時休業したセブンーイレブンの店舗は、関東と東海、甲信越、東北の最大約4千店に達した。13日から順次営業を再開したが、数十店舗で再開の見通しが立たないという。ファミリーマートも13日午後6時半時点で、関東と東北の約50店舗の再開時期が未定だ。午前9時時点で1104店が臨時休業したローソンも、13日午後2時までにほとんどの店で営業を再開したが、東北、関東、東海の15店ほどは長期休業を強いられる見通し。広報担当者は「営業再開まで1週間かかる可能性がある」と話す。総合スーパーでも、イオンの気仙沼店(宮城県)と相馬店(福島県)が浸水のため13日の営業を見合わせた。外食では牛丼チェーンの吉野家が46店舗で休業した。物流大手のヤマト運輸うと佐川急便は、12日に終日中止した関東や東海での集荷と配達を13日から順次再開したものの、河川が氾濫した地域の集配は中止した。「全国的に配達の遅れが出る可能性がある」(ヤマト広報)としている。一方、製造業では福島県郡山氏にあるパナソニックのプリント基板材料の工場が阿武隈川の氾濫による浸水被害を受けた。構内では深さ1㍍の浸水も確認された。トヨタ自動車やスバル、ホンダなど東北や関東に完成工場を持つ自動車メーカーは、工場に大きな被害はなかったとしている。ただ、操業が再開される14日以降、部品調達網の寸断などで生産に影響が出る可能性がある。 政府が対策本部 政府は13日、安倍晋三首相の指示で、武田良太防災相を本部長とする非常災害対策本部を設置した。被害が拡大したことを踏まえた対応で、同本部の設置は、昨年7月の西日本豪雨以来。首相官邸で開いた非常災害対策本部の初会合で、首相は「とにかく人命第一。浸水により孤立した住宅からの救助、安否不明者の捜索に全力であたってほしい」と指示。一刻も早く浸水を解消させるよう求めた。政府は、台風19号の上陸前の8日に関係省庁災害警戒会議を設け、支援態勢について協議。11日には関係閣僚会議を開いた。台風が上陸した12日は、官邸に杉田博官房副長官や沖田芳樹内閣危機管理監が詰めて情報収集にあたった。9月の台風15号上陸では、千葉県で大規模停電が長期化し、上陸直後の内閣改造や政府の初動対応に批判が出たことを意識。今回は政権中枢の多くが週末も東京都内にとどまって、推移をも守った。
停電11万戸 断水12万戸 電力各社によると、停電は13日午後10時の時点で、首都圏を中心に約11万戸で続いている。千葉県は房総半島南部を中心に約5万1千戸、長野県は軽井沢町や長野市などで約3万8千戸が停電している。宮城、福島、岩手の各県でも約6千戸が停電している。厚生労働省によると、13日午後5時現在で、福島県いわき市で4万5400戸など14都県の12万653戸が断水となった。

 

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