10月10日 AED迷わず使う勇気を

朝日新聞2019年10月8日25面:心臓突然死 遺族ら講習会や普及活動 心臓のリズムを電気ショックで元に戻す自動体外式除細動機(AED)を一般の人が使えるようになって15年が経ちました。日本AED財団によると、国内の設置台数は約60万台に増加。しかし、AEDが使われずに亡くなった子どもの遺族らは「使おうと思ってくれる人も増えてこらう必要がある」と啓発活動を続けています。2004年5月27日、大阪市の桃山学院高校。3年生の前重響さん(当時17)は1500㍍走のゴール手前で突然倒れた。教諭らが胸骨圧迫(心臓マッサージ)と人工呼吸をしたが、心臓突然死で亡くなった。当時の医師法の解釈では、AEDを扱えるのは医師や救急救命士ら。設置場所も限られ、同校にはなかった。厚生労働省が1年越しの議論をまとめ、一般の人がAEDを扱っても違法としない解釈を通知したのは、響さんの死から約1カ月後だ。「これがあれば、息子は助かったかもしれない」。父の壽郎さん(63)と母の奈緒さん(60)はAEDの設置活動を始めた。その後、スポーツ施設や学校で設置が進んだが、11年9月にさいたま市の小学校で、AEDがあるのに使われずに児童が亡くなった。6年生の桐田明日香さん(当時11)は1千㍍を走った直後、倒れて意識不明に。啖呵で保健室に運ばれたが、救急車が着くまで救命処置は行われず、傍らにあったAEDも使われなかった。翌日の夜、明日香さんは息を引き取った。その後の調査では、教師らが心停止後に起こる「あえぎ」を呼吸ありと判断して、救命処置を始めなかった可能性が指摘された。「二度と同じ事が起こらないように」。母の寿子さん(48)は翌12年、市教育委員会や日本AED財団の専務理事で京都大教授(救急医療)の石見拓さん(47)らとともに、救急対応マニュアル「ASUKAモデル」を作成。反応や呼吸が正常かわからない場合は、迷わずAEDを使うことなどを盛り込んだ。このことを知った前重さん夫婦と寿子さんは連絡を取り合うようになった。前重さん夫婦は学校や、石見教授が大阪・梅田で開くAEDの講習会で命の大切さについて話す。講習会は100回を数え、壽郎さんは「繰り返し学ぶことでいざというときに体が動く。何度でも参加してほしい」と呼びかける。寿子さんは全国各地での講演などでASUKAモデルを紹介し、すぐにAEDを使う重要性を訴えている。「迷ったらとにかくAEDを。その勇気で救える命がある」 大阪府羽曳野市では昨年度、ASUKAモデルを学んだ現場の教師らが呼びかけ人となり、市内の全小学校で児童がAEDの使い方などを学ぶ救命講習を開いた。今年度以降も続ける予定で、市教委も講習用のグッズを購入するなどして支援する。今年、同市の西浦小学校であった救命講習では、5年生約80人が胸骨圧迫やAEDの使い方を学んだ。授業後には「勇気を出してAEDを使う」といった感想が出た。(後藤泰良) 設置場所をサイトに登録 日本AED財団によると、心臓突然死は年間約7万人にのぼる。1分経つごとに救命率は10%下がるとされ、10分以上何も処置しないと、ほぼ全員が助からない。119番をするだけよりも、胸骨圧迫をすると2倍、救命率が上がるとされる。また、数分以内にAEDが使われると、脳や心臓へのダメージが抑えられ、社会復帰できる可能性が高くなるという。AEDを使おうとした際に困るのがどこにあるのか分からないことだ。そこで同財団は今年度、市民がAEDの設置場所を登録するウェブサイト「AED N@VI」を立ち上げた。サイトでサポーターになって個人や団体から寄せられた情報を地図に落とし込む。現在、約5千人が参加し、約1万4千台が登録されている。年度内に2万台、来年度に10万台の登録を目指す。

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