1月14日 オトナなった女子たちへ 伊藤理沙

朝日新聞2020年1月10日25面:白い××の女 「白いご飯の男」に、注目していた。それは、「すみませーん、白いご飯ください」と、みんなの注文ビール、ビールビール、ビールが続く最後に、申し訳なさそうに注文する人だ。「白い」と付けるのも気になった。たいてい焼き肉屋で、だいたい男だった。「ご飯がないと食えなくて」と、謝る。なのに、どーして声色が、「オレって、いい人」の、発音なんだ? ああん? 今までウケてきたんだね。言うタイミングも慣れた風にな。と、目を細くして「ほほえましく思っています」小芝居をしてきた。しかし、なんと、先日、自分がその「白いご飯の男」になっていまったのだ。喫茶店。年上のおねえさん方の多い集まりで、なんだかネイルの話になった。「今の若い子は~」な、流れの中、若い方のわたしは、いや~、ネイルやっていません、だって、「爪は白いとこ無いくらい短くないと気持ち悪くて」と、発言した。それは本当で、いつも深爪に気をつけているのだ。色気のない手。「オシャレもしないですみません」な、ノリなのに「わたしって、いい人」の、発言だったのだ・・! ドーン。年上のおおねえさん株はあがった。しかし年下のおねえさんが目を細めていた。あああ。私も「白いご飯の男」じゃなくて「爪の白いとこ無い女」だったのだ~~~ このような時が他にもあるにちがいない。おにぎりを買う時「梅と、おかか。あと、塩にぎり」と言っているのはどうだろうか。わたし「ツナマヨ」や「煮卵焼き肉巻き」じゃない、の時。3個は食べすぎ。京王駅弁大会で目玉の「蟹」「雲丹」に走らない感じは? 地味な弁当が好みなもんで、の時。鮨で「ひかりもの」「イカ」ばっかりたのむ。だって、好きだから、の時。蕎麦屋で「鴨南蛮」を頼まない感じ。「せいろ」って言っている時。だんだん、どうでもいい話である。今年もすいません。(漫画家)

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