1億総活躍社会 介護離職はゼロに出来るか?

朝日新聞4月9日7面:家族の介護を理由に仕事を辞める人は年間10万人いるとされる。「1億総活躍社会」の実現へ3本目の矢の目標が、この介護離職者を2020年代初頭までにゼロにすることだ。
介護離職の背景には、介護サービス不足がある。介護保険でサービスを受けられる要介護と認定された人は14年度で435万人。5年間で2割ほど増えた。 一方、特別養護老人ホーム(特養)の入居待ちは13年10月時点で約52万人いた。 このため政府は昨年11月の緊急対策で、在宅も含め新たに50万人分の介護サービスを整備すると打ち出した。全国の自治体が目標とする総整備量を12万人分上回る。サービス不足が深刻な都市部では、国有地を介護施設の建設予定地として安く貸し出すことにした。
ただ、思惑通りに整備が進むかは見通せない。どのサービスがどれだけ増やすのかを実際に決めるのは市区町村だからだ。サービスを充実せされば利用者が増えて費用は膨らみ、介護保険料にも跳ね返る。整備目標を引き上げることに、自治体側からは「国の押しつけだ」との反発も出ている。
施設を整備すれば済むわけでもない。目標の達成には、20年代初頭に25万人足りなくなるとされる介護人材の確保が前提となる。
年内に東京都東部で特養を開設する会社福祉法人の幹部は「100人集める必要があるが、まだ半分も決まらない。一部の部屋は開業時に受け入れないだろう」と明かす。職員の採用に向けて出張面接や学校訪問を続けてるが、反応は鈍い。毎年参加する就職活動フェアでは例年1日当り30~40人が説明を聞きに来たが、今年は7人。一方、入居申し込みはすでに定員を100人以上超える250人に上る。「需要があるから立てるのに、人手不足がこれほどとは」と嘆く。
政府の緊急対策には介護人材不足の解消策も盛り込まれた。介護業界を去った人を呼び戻そうと、2年間勤務すれば返済が免除される20万円の再就職準備金の貸付制度を新設。5年間の勤務で返済免除になる介護福祉士を目指す学生向けの年80万円の学費貸付制度の対象者数も増やした。
ただ、効果には懐柔的な見方もある。都内の介護福祉養成学校の校長は学費貸付制度の拡充に「1人の学生からみれば借りられる金額は変わらず、問い合わせもない」と話す。今年の入学者は募集定員の半分だったとし、「5,6年こんな状況。国が本当にやるべきことは介護職の地位向上だ」とも指摘。全産業より月11万円ほど少ない月約22万円の平均賃金のアップを求める。(陰西晴子)

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