震災から5年 透析施設を求めて【5】

朝日新聞3月12日17面:腎臓は血液中の老廃物を濾過(ろか)して尿を作る。腎臓の機能がおおよそ10%低下になるとけ血液を人工的に浄化させる透析が必要になる。 透析には、血液を対外循環させる「血液透析」と、自分のおなかにある腹膜を利用する「腹膜透析」があり、患者の9割以上が血液透析を選択している。 血液透析は通常、昼間に1回4時間の治療を週3回受ける。東京医科大学腎臓内科学の菅野義彦主任教授によると、高齢者は回数を減らしたり、昼に仕事のある会社員は夜に透析を受けたりするなど「個別化」も進んでいる。 東日本大震災で改めて浮かび上がったのは、自然災害に対する透析施設のもろさだ。日本透析学会などによると、宮城・岩手・福島の3県には震災当時、1万人以上の患者がいたが、多くが一時的に透析を受けれなくなった。例えば、宮城県内にある53の透析施設のうち、震災翌日に利用可能な施設は9施設しかなかった。 大きな原因は断水と停電だった。透析治療では、電気に加え、1回100リットル以上の水が必要になる。水道が止まり、清潔な水が確保できない場合、透析はできない。宮城県内では震災当日午後9時の段階で、53施設の100%が停電おなxt、91%が断水となった。 宮城県の気仙沼市立病院などでは、震災直後、より多くの患者に透析を行うため、1回の透析を半分の2時間にして治療を進めた。また、震災11日後の3月22日には、北海道の病院で透析を受けてもらうため、自分で歩ける44人の患者を自衛隊機で運んだ。今回のシリーズで紹介した宮城県南三陸町の三浦徳一さんのように震災直後に透析に入る患者もいる。南三陸病院で透析を担当する櫻田正寿(まさひと)院長は「震災直後には、避難所の暮らしからくる精神的なストレス、制限された食事、運動不足などから、腎臓機能をはじめ、心身機能に問題が出てくる人が増える」と話す。 首都直下地震や南海トラフ巨大地震では、多数の透析患者を遠方に移送させる事態も予想される。日本透析医学会や日本透析医会などでは、施設のネットワーク作りや患者情報を全国で共有できる仕組みつくりに取り組んでいる。

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