水道水 高度浄水処理でおいしく

朝日新聞2月13日e6面:蛇口をひねれば出てくる水道水。最近、おいしくなったと感じませんか。約1300万人に水道水を供給する東京都は、2013年10月、水源の8割を占める利根川・荒川水系から取水するすべての水で、高度浄水処理を達成しました。20年以上かけて五つの浄水場で設備を順次切り替えました。1970年代後半、金町浄水場の供給地区で「水が臭い」などと苦情が相次ぎ、78年には、年間1千件近くに上がりました。「原因は生活排水で河川の水が汚れたこと」といいます。 ダムなどの貯水池が汚れて富栄養化すると植物プランクトンが増えます。プランクトンが作り出すがにおいの原因物質。2種類が有名で「ジェオスミン」はカビや土のような臭い、「2-メチルイソボルネオール」は墨汁のような臭いと表現されます。これらは従来の浄水技術では取りきれませんでした。そこで、一手間加えたのが「高度浄水処理」です。濾過後の水にオゾンを通して臭い物質を酸化させて分解。 その後、表面に微生物のついた活性炭で濾過して、吸着させたり、微生物食べさせたりして取り除きます。塩素と結びつくと、プールのような「カルキ臭」を作るアンモニアも取り除くことができるそうです。金町浄水場では、この工程を入れた1992年以降、カビ臭の苦情はなくなりました。 ただすべての地域で高度洗浄処理が必要なわけではありません。どういう洗浄方法をとるかは、原水の質によります。例えば、昨年のネット調査で「地元の人がおいしいと思う水ランキング」1位になった熊本県。熊本市の水道は原水がすべて地下水で、簡単な濾過のあと塩素を加えるだけです。砂利や砂などに水をゆっくり通す「緩速濾過」という方法をとっている島根県は、主な水源に河川の下を流れる状流水を使っています。高度浄水処理は費用がかかるため都の担当者は「都市部を流れてきていない水を使えるのはうらやましい」と話します。
東京都は「安全でおいしい水プロジェクト」を立ち上げ、この要件を参考に水質基準より厳しい目標値を掲げています。ただ、先ほどのネット調査ランキングでは47都道府県のうち38位といま一つ。「おいしくないというイメージを払拭したい」と、ミネラルウォーターとの飲み比べキャンペーンなどでPRしています。『記者のひとこと』濾過・消毒した水を供給する近代水道が日本にできたのは1887年(明治20年)のこと。コレラやチフスの大流行がきっかけでした。世界的に水道水をそのまま飲める国はそれほど多くありません。2020年の東京五輪・パラリンピックは、おいしい水道水を世界に知ってもらう機会です。(香取啓介)

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