患者を生きる 働く・後編【4】

朝日新聞4月1日33面:がん患者を対象にした東京都の調査(2014年)によると、回答した831人(44%)のうち、診断時に働いていた609人の中で「退職した」と答えたのは130人(21%)だった。理由は複数回答で「治療・療養に専念するため」(53%)、「体力面などから継続しての就労が困難」(45%)、「周囲に迷惑をかけたくない」(35%)などが多かった。 また、831人のうち。がんになっても「仕事を続けたい(したい)」と答えたのは81%だった。 理由のトップは「家庭の生計を維持するため」(73%)で、次いで「働くことが自分の生きがいだから」(57%)が続いた。
働きながら治療を続けられるかは、勤め先にどのような支援があるかが重要になってくる。 連載で紹介した国井京子さん(56)は、公務員として東京都江東区の保育園で働き、がんの治療中に手厚い支援を受けることができた。180日間(現行制度は90日間)の「病気休暇」制度では基本給の100%、続いて利用した「病気休職」制度では80%が支給された。
民間企業では従業員の規模で差があるものの、近年は支援策を充実させる動きが出てきた。 製薬大手の中外製薬(東京)は2月、がん患者の治療と仕事の両立に積極的に取り組む企業を表彰する都の制度で、優良賞に選ばれた。同社は昨年、従来14日以上でしか利用できなかった療養休暇を、放射線治療や化学治療法など、がん治療を受ける場合には1日単位で利用できるように改めた。体調に合わせて勤務する「フレックス勤務」や「在宅勤務」、「マイカー通勤」の選択肢も増やした。 同社の統括産業医を務める難波克行さんは「最近のがん治療は、早期退院、通院治療が主流。治療と就業を両立できるように支援策を充実させれば、がんによる離職者は確実に減らせる」と話す。
同じ優良賞を受けた不動産業堺の大京(東京)は、健康保険組合から出る傷病手当とは別に、最長60歳まで月5万円が支給される団体保険に、会社負担で加入している。給与は出ないが、治療や通院のための休暇期間を人事部門の判断で「制限しない」とする制度も新設した。
(石川雅彦)

朝日新聞ASAの伸光堂西部販売 森林文化協会

ご予約・お問い合わせはお気軽に

Tel0120-740-276

〒352-0011 埼玉県新座市野火止8-14-29

ページトップへ戻る