患者を生きる 働く・前編【4】

朝日新聞3月25日30面:肺がんの治療中に仕事を失った千葉県船橋市の職員平岡輝彦さん(47)は2011年12月、再就職に向けて、新たに証券外務員の資格も習得した。仕事を通じてまた社会とつながりたかった。
12年1月から本格的に就職活動を始め、インターネットで300社近くに応募した。その中の一つがコールセンターの管理や運営を行う「ベルウェール渋谷」(東京都渋谷区 平野宏会長)だった。 面接では「肺がんで治療を続けています」と伝えた。同社は平岡さんを「金融機関にいた経験があり、数字に強い。即戦力として使いたい」と評価。採用を決めた。 3月下旬、平岡さんは再就職を果たした。任されたのは、様々な企業からコールセンター業務の契約を取る営業の仕事だ。「人に会うのが好きで、営業の仕事は自分に向いている。大きな契約が取れた時の達成感は大きい」
会社側は「必要なら平日に病院に行ってもらってかまわない」と、平岡さんの治療を優先する姿勢を示してくれた。
15年9月、腰の痛みを感じて検査を受けると、腰の骨と脳に転移が見つかった。その後、股関節にも転移が見つかり、放射線治療を受けた。今年1月上旬からいったん休職し、自宅療養を始めた。 1月下旬、体のだるさと吐き気が強くなり、国立がん研究センター中央病院(東京都中央区)に一時入院した。
入院時の2月中旬、会社から小さなアルバムを贈られた。そこには、治療中の平岡さんを励ます同僚からのメッセージ用紙が貼られていた。「早く良くなって戻ってきて!」「いつもの笑顔で負けないで乗り切ってください」どのページにも心に染みる温かい言葉が並んでいた。新しい抗がん剤がよく効き、2月下旬に退院。4月をめどに職場へ復帰したいと考えている。
「がんになって、良かったこともある」最近、そう感じる。がん患者同士の交流会での出会い、そして新しい会社の同僚や上司にも恵まれた。 「病気にならなかったら、知り合わなかったはずの大勢の人と出会うことができた。私にとっての財産です」(山本智之)

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