天声人語

朝日新聞3月29日1面:『この国のかたち』で司馬遼太郎さんが述べている。、<明治の夏目漱石が、もし昭和初年から敗戦までの”日本”に出遭うことがあれば、相手の形相のあまりのちがいに人違いするにとがいない>▲戦争へ傾斜していく昭和の日本は、明治人の知らぬ猛々しい顔に変貌していた。そんな意味であろう。単純になぞえらえる気にはならないが、戦後の平和憲法下で非戦の時代を生きてきた世代は、この先、顔つきの異なる日本と相まみえるのかもしれない▲国のかたちが、きょうから変質する。集団自衛権の行使を認める安保関連法が施行された。反対の声が国会を囲む中で成立して半年、地球規模での自衛隊の海外派遣と、他国軍の支援が可能になる▲大半の専門家はこの法案を違憲と見た。しかし安倍首相は、「夏までに成就する」とした昨春の米議会での約束を優先させる。疑義も不安も押し切って数の力で可決した。もたされたのは、自衛隊と米軍との、これまでにない「一体化」である▲だから成立後も、安保法案の廃止を求める声は消えない。違憲訴訟も各地で準備されている。元防衛官僚でこの法案に反対の立場の柳沢協二氏はかつて、法案は通ったとしても、現実に自衛隊が外国に行って最初の一発を打つまで、時間はある述べていた▲夏の参議院選の結果次第では、憲法改変が動きだす可能性もとりざたされる。国のかたちを大きく変えるかもしれない大事な岐路となるだろう。どう向き合うかは、むろん政治家だけの話ではない。

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