北島 泳ぎ切った

朝日新聞4月9日23面:平井先生と五輪へ行きたかった 水泳は僕のベストパートナー
”ハイライト” 残り15メートル、北島が一人、また一人と抜かれていく。男子200メートル平泳ぎ。最後のターンから三つ順位を落とし、5位でタッチ板をたたいた。プールサイドにしばし座り込んだ後、一礼。一つの時代が終わった。
「終盤どうやって粘るか、一生懸命、昨日、今日で想像したけど、粘れないんだよね。自分の気持ちが。まあ、それが俺かな」 「勢いやモチベーションが、昨年から難しいものがあった。なんとかこの大会で勝負するんだと自分を奮い立たせた」。戦いを終えて、胸の内を打ち明けた。100メートルは準決勝で派遣標準記録を上回りながら自身が想定していたタイムには届かず、「余計なことを考えた」。決勝は消極的なレースで2位ながら派遣標準記録に届かず五輪切符を逃し、恩師の平井コーチに「すいません」と謝った。「自分のひざをぶっ壊してでもいいから、行ってきます」と平井コーチに言い残して臨んだこの日。1分1秒76で折り返した前半100メートルは想定通りだった。しかし、ロンドン五輪以降、常に課題だった終盤のスタミナ不足は解消できず、ペースを自在に操り、終盤にスパートをかける、かつての姿はついに戻ってこなかった。「結果は結果なんで、きちんと受け止める。最後まで自分の攻めのレースができてたんじゃないかな。やりきった感がある」。「晴れやか」と口にした後、「平井先生とオリンピックに行きたかった」と声を詰まらせた。
「水泳は睡眠と同じくらい時間を費やしてきた、僕のベストパートナー。小さい頃に一生懸命がんばって練習した気持ちと、今もあまり変わりない。今日やり遂げたのは、小さい頃と一緒だった」。いま、33歳。十分な栄光を手にしてもなお、戦い続けた。
「自分におつかれさま、と。自信を持って次のステージに進みたい」。表情に充実感がにじんだ。

2016/ 4/ 9 17:25

2016/ 4/ 9 17:25

 

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